建て替えとリフォーム
住宅の劣化が見えてくるとリフォームを考え始めますが建て替えをした方が経済的な場合があります。
そのためコストパフォーマンスを重視して費用の比較をすることが大切です。
住宅が極端に古い場合、構造体の腐食や破損が出てくる場合がありますが、構造体の補修工事を行うには費用が割高になってしまいます。
また、梁や桁においては完全に改修することは困難となりますので、古い住宅で構造体に問題がある場合には建て替えを検討した方が良いのです。
寿命が残り少ない建物に多額の費用を掛けてリフォームを行ってもコストパフォーマンスが高いとは言えませんので、新築後の経過年数によってリフォームか新築かの判断をすることが可能です。
古い住宅は現在の住宅のように高気密高断熱が採用されている訳ではありませんので、暖房や冷房などの空調性能が劣りますし、エネルギー効率が悪くなってしまうため快適性が少なくなるのが普通です。
寿命が近づいている住宅の場合には、建て替えを検討することも大切なのです。
古い住宅には構造体の劣化が出ている場合もありますが、法律の施行によって広範囲な改修が必要になる場合があります。
新築時には規定されていなかった法律が後から施行される場合があり、代表的なものでは防火指定があります。
木造住宅の場合であれば準防火地域が該当しますが、新築後に法律が施行され基準に満たない建物を既存不適格建築物と言います。
既存不適格建築物の場合は新築時か改修に合わせて基準に適合させれば良いとされているため、リフォームを行う際にも法律に適合させる必要が出てくるのです。
準防火地域では延焼の恐れのある部分に一定の防火性能が必要になりますが、外壁や屋根だけではなく外部に面した内壁や柱などの構造体にも基準が設けられているため、現在の仕上げ材の種類にもよりますが改修費用が割高になってくるのです。
古い住宅のリフォームでは、耐久性や寿命が重要な部分となってきますし、法律が関係してくると中途半端な改修は行えませんので、建て替えを検討した方がコストパフォーマンスが高くなるのです。
リフォームとリノベーションの違いについて
住宅のリフォームと言うと、聞き慣れていますよね。
中古マンションを購入したときなど、クロスの張替えやフローリングの張替え、ちょっと大きな工事になるとシステムキッチンやバスなどを丸っと取替えなどもあります。
つまり、もともとあったマンションの部屋を、新築当時のきれいな状態に戻しましょうと言うのがリフォームです。
それに対してリノベーションとは、きれいな状態にする補修工事は一緒なのですが、リフォームと大きく違うのは、部屋を丸ごと新しく生まれ変わらせてしまうと言うところです。
部屋を新しく生まれ変わらせるというと、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、マンションの場合は絶対に壊してはいけない壁というものが存在します。
その壁を壊してしまうと、建物の構造自体にダメージを与えるからです。
しかし、逆にその壁を触らなければ、どんな間取りにしようが、どんな水廻りにしようが自由なのです。
玄関の位置はさすがに共用部分につながっていますから変えられませんが、一歩中に入ったらお隣さんちとは別世界なんてこともあり得るわけです。
そもそも新しいものこそ良いという文化が根付いています。
特に、建物に関する価値は外国に比べると明らかで、新築への投資がかなり高いものになっています。
ヨーロッパのアパルトマンなどは、古いものこそ価値があり家賃も高いところが多い中、日本では中古物件は人気がないです
しかしここにきて、リフォームではなくリノベーションが広まりつつあるのにも理由があります。
地球温暖化や資源などの問題で、新築物件を増やし続ける現状ではなく、古きものを良いものに変えていくという技術が見直されているからです。
また、人と違ったところに住みたいという思いを持つ人も増えました。
そんな中、リノベーションの技術も格段に良くなりましたから、築30年を超える建物でも、理想の住まいに変える事が出来るようになったのです。
マンションというと画一的なイメージがありますが、新築マンションには出来ないリノベーションで、オンリーワンな住まいを見つけることが可能になったわけです。
これからの時代、きっとリフォームではなくリノベーションを選ぶ人は増えるでしょう。
いい中古物件はお早めに、というところでしょうか。