寝室は1日の疲れを癒す場所であり、夫婦が安らげる空間であることが大事です。
寝室が快適に過ごせないと、疲れも癒えませんし、ストレスが溜まり夫婦ゲンカの原因にもなりかねません。
そのため、寝室リフォームをする場合は、夫婦それぞれが快適に過ごせるようにすることが大事です。
しかし、具体的にはどのような点に気をつけてリフォームすればいいのでしょうか。
そこで今回は、夫婦が快適に過ごせる寝室づくりのためのコツや注意点について紹介しています。
満足のいく寝室リフォームがしやすくなりますので、参考にご覧ください。
1.寝室は夫婦の安らぎの場所
寝室は夫婦の安らぎの空間です。
ただ寝るだけの場所ではなく、大きなクローゼットを設けて衣装を掛けたり、書斎を設けて仕事や読書をしたり、化粧台や納戸を設けるなどして、さまざまな使い方ができます。
夫婦によっては
「寝室にウォークインクローゼットを設けたい」
「木のぬくもりを感じるような部屋にしたい」
「夫婦それぞれで小さなクローゼットを持ちたい」
など、いろいろな要望もあるでしょう。
寝室は1日の3分の1程度を過ごす部屋なので、夫婦それぞれが快適に過ごせる空間にすることが大事です。
夫婦どちらも満足のいく寝室リフォームにするために、業者との打ち合わせ前には以下の9つの項目について話し合いをしておきましょう。
- 寝室の広さ
- 家具の配置
- 収納スペースの広さ
- 窓の配置
- 床や壁、天井の素材
- 設備機器
- 寝室の色調
- 照明
- 寝室にどうしても欲しいもの
快適さを求める寝室だからこそ、じっくりと話し合いリフォーム内容を決めることが大事です。
リフォームに失敗すると、快適な時間が過ごせず、ストレスの原因となってしまいます。
1-1.寝室リフォームは大きく3タイプ。快適に過ごせるタイプにする
寝室リフォームは、大きく分けると以下の3つのタイプがあると言えます。
どのタイプが正解・不正解ではなく、夫婦の寝室の使い方や求めているものによって合うタイプにすることが大事です。
ここでは、3つのタイプそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
1-2.寝るためだけの寝室
寝室リフォームのタイプの1つが、寝るためだけの寝室です。
まさに、「寝る」ことだけを寝室に求めるタイプであり、ベッドとドレッサー、ちょっとしたクローゼットなど、最低限のものがあれば完成します。
余計な設備や空間をつくる必要がないため、寝室は狭くても大丈夫です。
「テレビはリビングで見る」
「読書や仕事はリビング・ダイニングで済ませる」
「寝室に余計なものは置きたくない」
「予算を安くしたい」
という夫婦におすすめのリフォームタイプです。ダブルではなくツインベッドでも、6畳あれば十分です。
ただし、寝室にはテレビなどがないため、眠れないときは特にすることがありません。テレビを見るにしてもリビングへ移動が必要になります。
メリット | 寝室にベッドしかないためぐっすりと眠れる |
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最低限のスペースで実現できる | |
デメリット | 眠れないときやテレビを見たい場合は別の部屋に移動しなければならない |
1-3.寝室+書斎
「寝室で集中して本を読みたい」
「仕事や勉強を寝室でしたい」
「ベッドの横で自分の趣味に取り組みたい」
などの希望がある場合は、寝室+書斎リフォームタイプがおすすめです。
寝室+書斎はベッドやドレッサー、クローゼットに加え、机や本棚を設置するだけで完成します。
書斎もあることで、眠れないときにベッド横の机で読書やパソコン、趣味の時間を過ごすことが可能です。
ただし、夫婦どちらかが寝ているときは、音や光が気になってしまうため、お互いに配慮して使用する必要があります。
寝るだけの寝室タイプよりも、若干広めのスペースが必要となりますが、そう大きく予算は変わりません。
メリット | ベッドの横で趣味に没頭できる |
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読書や仕事をした後にすぐに眠りにつける | |
眠れないときも時間を潰しやすい | |
デメリット | どちらかが眠っているときに音や光で起こしてしまう |
相手がいると集中できない場合がある | |
寝るためだけの寝室よりも広いスペースが必要 |
1-4.寝室+くつろぎ空間
寝室+くつろぎ空間へのリフォームも1つの選択肢です。
ホテルのツインルームのように、ベッドだけでなく、テーブルや椅子があり、夫婦でお酒を飲んだりテレビを見ながら、ゆっくりとコミュニケーションがとれます。
ベッド以外にテーブルや椅子、ソファなどを置くため、広めのスペースが必要です。
「夫婦2人の時間を大切にしたい」
「お酒を飲んでそのまま寝たい」
「ゆっくりと1人の時間を過ごしたい」
このような希望を持っている夫婦におすすめの寝室リフォームタイプです。
ただし、寝室が広いことで、ついつい物が溢れてしまい、散らかってしまう可能性があります。また、ある程度のスペースがないと窮屈に感じてしまいます。
メリット | 寝室でテレビを見たりお酒を飲める |
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夫婦でコミュニケーションがとりやすい | |
眠れない場合にやれることが多い | |
デメリット | 広いスペースがないと窮屈に感じる |
テレビや机、ソファなどを設置するためコストがかかる | |
広くなる分、物が溢れてしまう |
2.寝室の収納スペースは自分たちに合った実用的な設計にする
快適な寝室づくりのコツの1つが、実用的な収納スペースをつくることです。
収納スペースが自分たちに合ったものであれば、物が表に溢れないため、寝室がスッキリとしてスペースを最大限活用できます。
収納スペースの満足度で寝室の快適さも変わってきます。
2-1.収納物や利用方法を考えて収納スペースをつくる
「洋服や物を置くので収納スペースが欲しい」
という人は多いはずです。
しかし、寝室にただ収納スペースがあればよいというわけではありません。
自分たちの収納したい物や利用方法などに合った実用的な収納スペースでないと、
- 棚の1番下は、かがんだりして腰に負担がかかるから使っていない
- 大きな荷物が入らなくて困っている
- 棚がたくさんあるが収納する物がそんなにないため余っている
- 服があまりないのでクローゼットのハンガーラックがスカスカ
など、使い勝手が悪かったりスペースが余ったりしてしまいます。
ただ単に収納スペースをつくるのではなく、自分たちの使い方に合った収納スペースをつくるよう心がけてリフォームをしましょう。
2-2.お互いの居心地やこれからのことを考える
寝室は夫婦の安らぎの場所だからこそ、お互いの居心地やこれからのことを考えることが大切です。
夫婦といえども1人の時間も必要ですし、喧嘩をして一緒にいたくないときもあります。
そのため、夫婦それぞれの快適さを重視しながらも、今だけのことではなく将来を見据えてリフォームするようにしましょう。
3.寝室は10〜20年後の将来の生活を考えリフォームする
リフォームは、多額の費用がかかるため短期間のサイクルでおこなうものではありません。
そのため、10〜20年後の生活も見据えてリフォーム内容を決めることが大事です。
バリアフリーにしたり、お互いの空間をつくるためにツインベッドの間にロールスクリーンを取り付けたり、配置変更できるようにキャスター付きの収納棚やベッドにしたり、照明スイッチを大きくしたりなど、高齢になっても使いやすいようにしておくとよいでしょう。
3-1和室にするか洋室にするか
将来を考えたうえで寝室リフォームをする際、和室と洋室どちらにするかは迷うポイントの1つではないでしょうか。
和室の場合は、起きて寝具を収納すれば趣味の部屋やくつろぎ部屋、客間としても使えるのがメリットです。和室ならではのあたたかい雰囲気を感じられます。
しかし、高齢になると、毎日の布団の上げ下ろしが大きな負担に感じる可能性があります。
そのため、布団の上げ下ろし負担のない洋室を希望する夫婦が増えているようです。
「ベッドは便利だけど和室も残したい」
という場合は、寝室の隣に小さな和室を設けるのも1つの方法です。
3-2.高齢化対策を考えてみる
高齢になると、体の調子や生活リズムが若いときとは違ってきますので、寝室に求めるものも変わってきます。
- トイレが近くなるため寝室隣にトイレがないと心配
- スペース的に問題なければ寝室の横に洗面所や浴室があってほしい
- 照明器具のスイッチはベッドの手元にほしい
- 段差のないバリアフリー設計にしたい
- 落ち着いた色調で木のぬくもりを感じられる内装にしたい
- 戸で仕切れるようにして来客も泊められるようにしたい
など、他にもさまざまな要望が出てくるはずです。
既に高齢の人は対策が立てやすいですが、これから近い将来高齢を迎える人は、そのときの様子をイメージしながら不自由のないリフォーム計画を立てる必要があります。
3-3.お互い迷惑にならないよう遮断空間をつくる
寝室は夫婦の空間ですが、映画鑑賞や音楽を聴くとなると、どちらかに迷惑がかかる場合もあります。
夫婦それぞれがゆっくりと休めるように、寝室を別の空間から遮断するだけでなく、別に遮断空間を設けることも1つの方法です。
たとえば、寝室の隣に小さな防音部屋をつくれば、そこで映画や音楽を楽しんだり、趣味の楽器を演奏したりできます。
これならば、どちらかが寝室でゆっくりと休んでいても光や音が気になりませんし、映画や音楽も相手を気にせず存分に楽しむことが可能です。
夫婦それぞれの寝室での過ごし方や生活リズムが違う場合は、寝室の隣に遮断空間をつくることで、お互いがストレスなく過ごせます。
4.寝室リフォームでよくあるQ&A
いざ寝室リフォームを考えると、さまざまな疑問が出てくるはずです。
ここでは、寝室リフォームに関する、主なQ&Aについて紹介しています。
疑問点はしっかりと解消したうえで、リフォーム工事を始めるようにしましょう。
途中で「やっぱり。。」となっても変更工事には多額のコストがかかってしまいます。
4-1.寝室にはどんな照明器具が向いている?
寝室には、多くの部分照明と大きな全体照明を付けるのがよいと言われています。
部分照明のオン・オフで部屋全体の明るさを調整できますし、枕元だけなど必要な部分だけ明るくすることも可能です。
スイッチは入口付近と枕元の両方に付けておけば便利に使えます。
4-2.クローゼットはどんな扉がいいのか?
クローゼットの扉といえば、折り戸でジグザグに開くタイプが一般的です。なかには、通気性に富んだすき間が空いているタイプもあります。
また、特に見た目を気にしない場合は開け閉めがしやすい引き戸も便利です。
オーダーメイドでオリジナルの扉をつくることもできますが、予算は高くつきます。
4-3.床はどんな素材がいいのか?
寝室の床材にはフローリングがおすすめです。
じゅうたんも豪華に見えていいのですが、汚れやほこりが見えづらく、ダニの問題もあります。
毎日きれいに掃除をしないと不衛生になりがちです。
フローリングであれば、汚れやほこりを見つけやすく、拭き掃除もできます。
掃除がしやすく清潔に保ちやすいため、寝室の床材はフローリングがいいでしょう。
4-4.ベッドとベッドを仕切るのはあり?
寝室は夫婦の安らぎの空間です。
それぞれがゆっくりと快適に過ごせることが大事ですので、そのためにベッドとベッドの間を仕切るのは問題ないでしょう。
ロールカーテンやアコーディオンカーテンを設置すれば、簡単に間を仕切れます。
仕切ることで、相手の眠りを妨げずに作業が可能です。また、喧嘩をして顔を見たくない場合にも活躍します。
4-5.どんなベッドがいいのか?
寝室のスペースにもよりますが、ツインベッドがおすすめです。
それぞれゆったりとできるでしょうし、ツインになっていれば相手を気にせずお互い好きなことをして過ごしやすいためです。
また、ベッドタイプだけでなく、マットレスにも気を遣うことで、より質の高い睡眠時間を確保できます。
非常に性能の優れたマットレスがたくさん販売されていますので、ショールームなどで確かめてみるといいでしょう。
寝室は夫婦の安らぎの空間ですので、お互い快適に過ごせるようにリフォームすることが大切です。
そして、今だけのことではなく10〜20年後のことも考えて、使いやすい寝室づくりをするようにしてください。
早速、この記事を参考に、夫婦お互いの希望を出し合ってどのような寝室リフォームにするか決めていきましょう。
私の体験談

リビングや個室という方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的には寝室が該当するでしょう。
睡眠は寝室でするわけですから、少なくても6時間や7時間、普通に考えれば8時間以上を寝室で過ごすことになるのです。
そのため寝室の快適さについては、できるだけこだわってほしいものです。
最近ではご夫婦で別々の寝室の方にするケースも増えていますが、全く別の部屋にしてしまうよりも、ある程度一緒にコミュニケーションがとれるように、簡単なロールスクリーンなどで、視線を遮ることができる夫婦の寝室がおすすめです。
私が営業で携わったリフォームの中でも、寝室である程度プライベート空間を確保できるように移動式の敷居を作りました。
その後夫婦ともに互いに過敏に神経を使う必要もなく、寝室でリラックスできるようになり、その結果夫婦仲が良くなったというお話をいただいたことがありました。
このように住方がリフォームによって、幸福感を感じられるようなことにできることこそが、私たちの一番の喜びなのです。