子供が快適に過ごせて、親も安心できる子供部屋をつくるには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。
子供部屋が過ごしづらく、親も管理・チェックしづらい子供部屋だと、子供の怪我につながる可能性もあるため危険です。
ここでは、子供がのびのびと過ごせて親も安心できる、魅力的な子供部屋づくりのコツについて紹介しています。
より快適で安全、使い勝手のよい子供部屋づくりができるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
1.子供の年齢を考慮する
子供が小さい頃はまだ良いですが、小学校高学年など、子供がある程度の年齢になってきたら自分の部屋が欲しいと主張するようになります。
その際、1人っ子なのか、兄弟や姉妹がいるのか、年齢がどれくらい離れているかによって、子供部屋をどのようにリフォームするかが変わってきます。
大人の部屋のようにテレビやソファなどを設置して快適な空間をつくってしまうと、子供が部屋に閉じこもってしまうため注意が必要です。
子供部屋をつくる際は、子供の意見をすべて尊重するのではなく、夫婦で話し合って部屋の仕様を決めるようにしましょう。
その際、以下の項目について考えると、より具体的にリフォーム内容を決められます。
- 部屋の広さ
- 間仕切りの有無や方法
- 子供の人数
- 収納スペースの広さ
- 趣味
- 部屋の色調
- 窓の位置
- 照明タイプ
- 床材や壁材
- 設備機器
- 置きたい家具
リフォーム前の部屋の不満点も洗い出し、希望の条件を整理していきましょう。
1-1.子供部屋のリフォームタイプは主に3つ
子供部屋には、どのようなリフォームタイプがあるか把握しておくことで、リフォーム計画を決めやすくなります。
ここでは、
- 「小さい独立タイプ」
- 「ワンルームタイプ」
- 「家具で仕切るタイプ」
の3つのリフォームタイプの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
1-2.小さい独立タイプ
完全に1人部屋が欲しい年頃の子供におすすめなのが、小さい独立タイプの子供部屋です。
部屋の広さはそれほどでも、完全に独立しているため、子供もプライバシーが守られます。
友達を呼んでおしゃべりしたり、おもちゃやゲームで遊んだりなど、家族の視線を気にすることなく好きに過ごせるのが独立タイプのメリットです。
ただし、完全に独立しているため、部屋に入ると何をしているのか親にはわからないのがデメリットです。
部屋に閉じこもったり、家族のコミュニケーションが減る可能性もあるため、快適すぎる部屋にはしないようにしましょう。
1-3.ワンルームタイプ
子供が幼稚園や小学校低学年ぐらいまでの兄弟・姉妹であれば、ワンルームタイプにリフォームして、広めの部屋を使わせてもいいでしょう。
広めの子供部屋にすれば、走り回ったり、おもちゃを部屋中に広げて遊ぶことが可能です。
大きめのおもちゃを置いても邪魔になりません。
ただし、ワンルームタイプは部屋が広い分、おもちゃが散らかりやすいため、片付けや掃除が大変です。
おもちゃの片付けルールをつくったり、ルンバなどのロボット掃除機で毎日掃除させるなどして、親の負担を少なくする必要があります。
1-4.家具で仕切るタイプ
1つの部屋を兄弟や姉妹2人で使わせる場合は、家具で仕切って最低限のプライバシーを確保する方法もあります。
勉強などに集中もできますし、お互いが会話したい場合は仕切りごしに可能です。
ただし、最低でも6畳程度のスペースがないと窮屈な点と、どちらかの友達が部屋に遊びに来た場合は、うるさくて迷惑になることもあります。
このように、各タイプで特徴が異なりますので、子供の年齢や性格などを考えてリフォームタイプを決めるようにしましょう。
1-5.子供部屋を2階につくる場合
リフォームをして子供部屋を2階につくる場合は、子供の安全対策が必要です。
事あるごとに、1階と2階を行き来していたら怪我をする可能性があります。
また、子供が走るドタバタ音や泣き声などの防音対策についても考えなければなりません。
2階に子供部屋をつくる場合は、ここで紹介する注意点を考慮したうえでリフォームするようにしましょう。
1-6.2階にもトイレがあると便利で安全
子供部屋が2階になる場合は、2階にトイレもつくるといいでしょう。子供がトイレのたびに階段を上り下りしていては危険です。
特に、幼児や小学校低学年ぐらいの子供は、階段に慣れていないため、親が一緒でないと転げ落ちる可能性があります。
親がずっと一緒にいることは難しいため、2階にトイレを設置して安全に使えるようにしましょう。
子供部屋を出てすぐにトイレがあれば、安全ですし便利です。
また、将来的に二世帯住宅にすることを考えた場合も、トイレが2つあることが大きなメリットになります。予算があれば、トイレだけでなく、洗面所や浴室も設置するといいですが、そうでない場合はトイレだけでも検討しましょう。
もし、子供が小さく、2階のトイレ設置も難しい場合は、子供部屋は1階につくった方が安心です。
2.屋根裏部屋も使い方によって魅力的になる
住宅事情により、2階の屋根裏部屋が子供部屋になる場合があります。
屋根裏部屋=暗い、というイメージがある人も多いかもしれませんが、使い方によってはとても魅力的な子供部屋ができあがります。
斜めになった天井に好きなアーティストやキャラクターなどのポスターや写真を貼ったり、ベッドに寝ながら夜空の星を見たり、完全独立型なので好きなことができたり、、、など、屋根裏部屋にしかできない楽しみ方があります。
大人だとちょっと窮屈に感じる場合でも、子供にとっては十分な広さです。
2階に子供部屋を設ける際の1つの選択肢として考えてみるといいでしょう。
2-1.子供部屋の真下を老夫婦の部屋にしない
子供は走り回ったり、物を落としたりすると、真下の部屋には音が伝わりやすいです。
老夫婦の部屋を真下にもってきてしまうと、音がうるさくてゆっくりと休めない可能性があります。
また、そのことが原因で揉める場合もあるため注意が必要です。
どうしても、老夫婦の部屋が真下にくる場合は、子供部屋の防音対策をしっかりと施すようにしましょう。
2-2.区切りを上手に使う
家具で間仕切りをつくれば、子供部屋を有効活用できます。
ただし、区切りを設ける場合には区切り方や素材に気をつける必要があります。
子供がのびのびと子供部屋で過ごせるように、最大限の配慮をしましょう。
■子供が小さいうちは親の目が届くところに
小学校高学年であれば、家の中で多少目を離しても安心ですが、小学校低学年以下の子供であればそうはいきません。
子供部屋で子供を1人だけにしておくと心配です。そのため、リビングやワンルームタイプの子供部屋など、親の目が行き届くところで遊ばせるようにしましょう。
そして、少し自分の空間が欲しいと主張してくるようになったら、収納スペースや本棚を活用して、部屋に区切りを設けるといいでしょう。
完全独立型の子供部屋ではないため、子供の様子もチェックできますし、子供は区切りがあることで自分の空間もつくれます。
2-3.区切りは健康に害のないものを使う
部屋に区切りを設ける際に、本棚や収納家具を使う方法がありますが、子供の健康に害のない素材のものを使いましょう。
仮に接着剤にホルムアルデヒドなどが含まれていると、子供の健康に影響が出る可能性があります。
特に、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎などをもっている子供には影響が出やすいため、くれぐれも健康を考えた内装材を使用するようにましょう。
3.子供部屋の内装や設備
子供部屋をつくる際は、日々の掃除がしやすく、子供が喜ぶ使いやすい内装・設備にすることが大事です。
ここで紹介するように、フローリングや壁紙、ベッド横のコンセントなど、リフォームする際は工夫しましょう。
3-1.床はフローリングがおすすめ
子供部屋の床は、じゅうたんよりもフローリングがおすすめです。
フローリングは、汚れやゴミ、ほこりが見えやすく、子供が飲み物をこぼしてもすぐにふけます。
ダニの心配もなく掃除が簡単なのもうれしいポイントです。
ただし、足音が階下に響きやすいという欠点があるため、リフォームの際に防音対策を施す必要があります。
3-2.壁紙は子供に選ばせるのものあり
子供部屋にリフォームする場合は、壁紙を子供に選ばせるといいでしょう。
子供が好きな絵柄であれば、子供も毎日をより楽しく過ごせるはずです。
間取りや床材、色調などは親が決めても、ぜひ壁紙は子供に選ばせてみてください。
3-3.ベッド横にコンセントを設置する
大人もそうですが、子供部屋もベッド横にコンセントがあると何かと便利です。
コンセントがあれば、枕元に照明を付けたり、スマホやゲームの充電器、オーディオなど、さまざまなものを設置できるようになります。
3-4.子供部屋には鍵をつけない
子供部屋にリフォームする際は、ドアに鍵はつけないようにしましょう。
鍵をつけてしまうと、部屋の中に鍵を閉めて閉じこもり、親も子供の様子を確認できない可能性があるためです。
教育上望ましくありませんので、鍵はつけず、寝るときはドアを開けておくなどしましょう。
3-5.カーテンは洗えるものがおすすめ
子供部屋のカーテンは、落書きで汚れる可能性が高いため、自宅で簡単に洗えるものを選びましょう。
また、破れる可能性もあるため、高価なカーテンではなくリーズナブルな製品がおすすめです。
カーテンの柄を子供に選ばせても喜ぶでしょう。
3-6.地震対策は万全に
近年、大きな地震が多発しています。
そのため、子供部屋にある家具や家電には、地震対策を施すようにしましょう。
地震で家具や家電が倒れたり落下して、子供が怪我をする可能性があるためです。
転倒・落下防止の器具を設置しておけば、地震時の家具・家電の転倒や落下を防げます。
3-7.収納スペースは多めにする
子供部屋の収納スペースが充実していると、散らかしたおもちゃを子供は自分で片付けるようになります。
片付けることが楽しくなり、片付け上手になる子もいるようです。
収納スペースは、多くて困ることはあまりありませんので、リフォームする際は十分なスペースを確保しましょう。
壁面すべてを上から下まで収納にするなど、ある程度の年齢になっても収納に困らないくらい、収納スペースをつくっておくと安心です。
4.子供部屋リフォームでよくあるQ&A
ここでは、子供部屋リフォームに関してよくあるQ&Aを紹介します。これからリフォームを検討している人は、参考にしてみましょう。
4-1.子供部屋に適切な机とは?
子供がある程度の年齢になったら、子供用の勉強机が必要です。
子供用机はいろいろなタイプのものがあるため、迷ってしまう人も多いようです。
デザインは好みですし、予算も家庭によって異なりますが、机の高さが調節できるものを選ぶといいでしょう。
成長に合わせて高さ調節ができるため、長く使っていけます。
4-2.アレルギーが心配なのでベッドのそばに洋服類を置きたくない
子供にアレルギーがある場合は、できるだけベッドのそばに洋服は置きたくないと考える人は多いのではないでしょうか。
洋服を置くスペースとして、完全に独立した収納スペース(クローゼット等)を設けるようにしましょう。
クローゼット内で洋服の出し入れをすませば、ベッドの方に繊維のほこりがあまり届かないようになります。
子供部屋にリフォームをする際は、必ずクローゼットなどの収納スペースを設け、洋服やおもちゃ、道具などは、必要なとき以外収納しておくことをおすすめします。
4-3.カーテン以外に窓につけるものは?
窓につけるのは、カーテン以外にブラインドやロールカーテンがあります。
いずれも、直射日光を防ぎ、冷暖房効果を高めます。特に夏場は、室内での熱中症防止にもなるため重要です。
また、ブラインドやロールカーテン単体だけでなく、ブラインド+カーテン、ロールカーテン+カーテンなどの組み合わせをする家庭も少なくありません。
最後にもう1度、この記事の大事な点をまとめると、以下の4点が挙げられます。
ポイント
- 子供部屋リフォームには主に3つのタイプがある
- 子供部屋が2階になる場合は階段で怪我しないようにトイレ設置も検討する
- 家具で部屋を区切る場合は健康を考えた素材のものを使う
- 収納スペースを多くすると子供が片付け上手になる可能性
ぜひ、この記事を参考にして、子供にも親にも魅力的な子供部屋づくりをしましょう。
私の体験談
戸建住宅を買う時に、お子さんを産まないという計画を立てているという人はまずいません。
ただし想定外にお子さんが生まれてしまったというご家庭は有りました。
初めは子供の数は2人の計画だったのに、二人目の出産が双子で、合計でお子さんが3人になってしまったというお話を聞いたことがあります。
その場合どうしても、個室の数が足りなくなってしまいます。
そこで戸建住宅を建てる時には、あらかじめここは子供用のスペースとして10畳や12畳など、できるだけ大きな個室を一つ確保しておきましょう。
そして、その後お子さんの数によって半個室化リフォームなどを繰り返して、必要な数の個室を捻出していくというのが良いでしょう。
またお子さん同士が同性ならば、それほど区切りを気にする必要はありませんが、たとえ兄弟でも異性の場合は、ある程度きっちりと部屋を区切ることが必要です。
お子さんの年齢や性格によっても、どの程度のプライベート空間が必要かは変わってくるでしょう。
家族だけにこそしっかりと見守って、臨機応変に対応できるような作りにしておきたいものです。