ちょっとした工夫や仕掛けで収納力を高められます。
大掛かりなリフォームをして、収納スペースを増設する方法もありますが、多額のリフォーム費用がかかるため最終手段として考えましょう。
意外に、収納方法を見つめ直せば、多くの物が新たに収納できるようになるものです。
今回は、収納を増やすアイデアや方法、注意点などについて紹介しています。
この記事をご覧いただくことで、コストを抑えたうえで収納力を高められるようになりますので、ぜひ参考にご覧ください。
1.コンパクトな収納スペースをつくる
オーディオ機器などの大きなものであれば収納場所は決まっていることが多いですが、こまごました物は収納場所が定まらず、その都度収納先が変わったりするものです。
そのため、子供のおもちゃや雑誌など、自然と増える物が収納しやすいように、とりあえずで収納できるスペースをつくりましょう。
気軽にいろいろな物を収納できるスペースができることで、部屋に物が溢れるのも防ぐことが可能です。
あちこちにこのような収納スペースがあれば、その場その場の機能や目的に応じて、自然と収納先が決まります。
日用品や雑貨、ちょっとした家具・家電などを何でも収納できる、コンパクトな収納スペースを部屋の多くの場所に設けましょう。
大きな収納スペースが欲しい場合は別ですが、こまごました物が散らかっている場合は、コンパクトな収納スペースをつくることで、問題を解決できます。
2.ウォークインクローゼットの増設
近年、ウォークインクローゼットが人気です。
通常のクローゼットの倍以上の広さがあり、洋服だけでなく、キャリーケースや使わない家具、バッグや帽子など、多くの収納ができます。
リフォームにおいても

という要望は多いです。
特に、寝室にウォークインクローゼットを設けたいという声をよく聞きますが、ウォークインクローゼットを設けるには3畳くらいのスペースが必要です。
仮に、寝室が8畳ほどの広さであったとして、ベッド2台やドレッサー、タンスを置くと、スペース的にかなり厳しくなります。
もちろん、スペースに余裕があれば問題ありませんが、そうでない場合は増築が必要になってきます。
そして、「寝室を増築するのであれば、ついでに、、、」と、ウォークインクローゼット以外に、書斎など別の設備も検討してみてもいいでしょう。
寝室が2階にある場合は増築工事も少し大掛かりなものとなりますので、このように一緒に工事をすることで、後に別々に工事をするよりもコストを安く抑えられます。
増築工事をおこなう際は、近隣への配慮も忘れないようにしましょう。
日照など、法的な制限や工事音の問題もありますので、後にトラブルにならないように、事前に工事をおこなうことを伝えておく必要があります。
3.玄関に大型クローゼットを設ける
「玄関ドアを開けると散らかっている」
など、意外に多くの物が溢れている場所が玄関です。
靴だけでなく、スリッパや傘立て、ゴルフバッグなど、さまざまな物が表に出がちです。
下駄箱が小さい場合は、入りきれない靴やサンダルが表に出ているケースもあります。
その家の顔とも言われる玄関が散らかっているのは、あまりよいこととは言えません。
このようなときは、収納力のない下駄箱はなくして、大型のクローゼットを設置してみてはいかがでしょうか。
下駄箱は奥行きも広さもないため靴やサンダルしか収納できませんが、大型クローゼットであれば、靴やサンダル、傘立て、ゴルフバッグ、コート、バッグ、スリッパなど、多種多様な物を収納できます。
クローゼットにはレールを取り付けるだけでなく、下部スペースに4〜5段の引き出しを設ければ、洋服や小物など好きな物を収納可能です。
そして、扉の内側にも小物の収納ポケットをつくれば、非常に収納力の高いクローゼットとなり、玄関がすっきりとします。
下駄箱の取り壊しと大型クローゼットの増設なので、そこまで大掛かりな工事にもなりません。
特に玄関周辺に物が溢れている家庭は、玄関の収納スペース自体を見直してみるといいでしょう。
4.すぐに手の届く範囲に収納する
キッチンで毎日使う、調味料やスパイスなどは、キッチンに立って目の前に浅い棚をつくり、よく見えるように並べておきましょう。
調理をしながらすぐに取り出せるため、とても便利です。
そして、その棚から上下の範囲を少しだけ広げた部分に、日常よく使うものを収納しましょう。目が届きやすく取り出しやすいことから、ゴールデン収納とも呼ばれます。
そして、ゴールデン収納よりも高い位置にある、キッチンの吊戸棚や押入れの天袋などは、高すぎるため、よく使うものを収納する場所には向いていません。
吊戸棚に鍋などを収納してしまうと、取り出そうとする場合に万が一の可能性もあるため危険です。
また、吊戸棚や天袋、ロフト収納など、高い位置に収納してしまうと、何を収納したかチェックしないようになりがちです。
そのため、買い置きした品や不要品がいつの間にか溜まってしまい、収納スペースを奪ってしまいます。
収納スペースを効率的に活用するためにも、日用品やよく使うものは、手の届く範囲に収納するようにしましょう。
5.ロフト収納の収納式階段はやめる
ロフトを使用する際は、収納式の階段を使うのが一般的です。
ただの階段の上り下りだけなら問題ありませんが、何かをロフトに収納しようとする場合は気をつけなければなりません。
特に、重い荷物を持って上り下りとなると、大変危険です。今はよくても、5年後や10年後、15年後など将来はわかりません。
また、階段を上り下りして出し入れするのが面倒に感じ、いろいろな物がロフト収納に溜まってしまうものです。
こうなると、不要品が多くあってもそのままになり、収納スペースが有効に活用できなくなります。
ロフト収納は、室内の1番高いところに多くの荷物があるため、大きな地震が起きると荷物が下に落ちてきたり、家の一部が崩れてしまう可能性もあります。
収納式階段の傾斜が急なこともあり、上り下りが億劫になることが原因なため、ロフト収納を利用する際は通常の階段で上がれるようにリフォームするといいでしょう。
立派な階段にする必要はなく、1階から2階への階段の延長線上に設ければ、使い勝手もよくなります。
リフォーム費用もそう高額ではありませんので、安全性と使いやすさを考慮して、収納式階段は卒業するようにしましょう。
通常の階段で上がれるようになれば、上り下りの面倒さはこれまでより感じなくなるため、不要品などがロフト収納に溜まるのを防ぎ、効果的に収納スペースが使えるようになります。
6.床下収納よりは他の収納スペース

という声も少なくありません。たしかに、床下収納をつくれば収納スペースが増えるため、多くの物を表に出さずに済みます。
しかし、床下収納に重い物を収納してしまうと、出し入れが非常に大変です。
女性や子供が床下収納の物を出し入れするのは、かなりの重労働になりますし、子供が怪我をしたケースもあります。
電動式の床下収納もあり、かがみ込んで荷物を出し入れする必要はありませんが、50万円程度の予算がかかるため考えものです。
また、床下収納は設置場所にも気をつけなければなりません。
リビング・ダイニングに設置すると、その上に椅子やテーブル、ソファは置けませんし、カーペットやラグも設置できないなど、家具・インテリアの配置が制限されてしまいます。
まったく使わない物を収納する分にはいいですが、定期的に収納スペースを掃除しないと、ゴミやホコリが溜まったり、虫がいるような状態となってしまいます。
家が狭くて他の収納スペース増設が難しい場合は仕方がありませんが、それ以外の場合は、床下収納を検討するのであれば他の収納スペース増設を考えた方がよいでしょう。
その方が使い勝手もいいですし、収納力もアップできます。
7.収納の見える化も大事
家をリフォームする際は、これまで溜まっていた物を処分するチャンスです。
溜まっている物が処分できれば、収納スペースに余裕ができ、家の中が広くなります。長く住んでいると、物が溜まっていくことは仕方がありませんが、定期的に処分できるかどうかが重要です。
よほど大事な物は別として、一定期間使っていない物に関してはどんどん処分するようにしましょう。そうしないと、不要品で収納スペースが埋まってしまいます。
不要品を溜めないようにするために、収納の見える化も大事です。
収納スペースの中に棚をつくり、その棚に収納している物をつかって展示用スペースのように飾れば、どのような物があるかすぐに把握できるようになります。
定期的に飾る物を入れ替えれば、さらに効果的です。
どのような物が収納されているか把握ができるため、捨てる・捨てないの区別・判断もしやすくなります。収納スペースをチェックすることが楽しくなるはずです。
8.突っ張り棒で手軽に収納スペースをつくる
住まいが賃貸マンションやアパートの場合、壁に棚を設置しようとしても、壁や天井に釘が打てないため困ってしまいます。
もちろん、持ち家であれば自由に釘を打てますが、賃貸は部屋を借りている状況ですし、原状回復義務もあるため、リフォームには制限があります。
しかし、だからといって吊戸棚や壁収納をつくるのを諦める必要はありません。
賃貸マンションやアパートでも、突っ張り棒などを使えば、壁や天井を傷つけずに吊戸棚や壁収納をつくることが可能です。
突っ張り棒を活用すれば、釘を使うことなく、小物を入れる収納や押入れをクローゼットのように利用できるようになります。
大型スーパーやホームセンターで手軽に購入できますので、うまく活用しましょう。コストをほとんどかけずに収納スペースが確保できます。
9.可動して便利な屏風式収納家具を検討する
屏風式収納家具を利用すれば、ワンルームを自在に使い分けができます。
屏風=昔のもの、というイメージを持っている人も多いとは思いますが、屏風は非常に便利なものです。
折り畳んですぐに収納できますし、必要に応じて引っ張り出せます。どこでにも立てることができ、間仕切りとしてつかったり、目隠し目的として使うことも可能です。
さすがに、現代において屏風をそのまま使うとなると抵抗はありますが、屏風と同じ以下の利点・機能を持った収納家具を活用すれば、効率的に収納ができます。
- 移動が容易
- 出し入れが簡単
- 間仕切りになる
- 目隠しになる
- 収納もできる
移動が簡単なため、昼間は収納家具を動かして子供コーナーを広くし、夜は子供コーナーを狭くする代わりに寝室を広くするなど、目的に応じて自由に使い分けが可能です。
収納棚としても機能するため、洋服やバッグ、小物、子供のおもちゃなど、さまざまな物を収納できます。
収納棚の下には小さいキャスターが付いていれば、女性でも簡単に動かせますので安心です。
このように、可動式収納棚で屏風のようにいろいろな用途に使えるものであれば、幅広い用途に使用でき、大きなリフォーム費用もかかりません。
業者に特注で収納家具をつくってもらってもいいですし、大きな収納棚にキャスター付きの台座フレームを取り付けるなどしてDIYしてもいいでしょう。
「収納スペースを増やすためにリフォームを考えている」
「部屋に間仕切りをつくりたい」
など考えている場合は、屏風式収納家具を検討してはいかがでしょうか。
大掛かりな工事をしなくても、収納スペースが増え、間仕切りにもできます。
収納を増やすアイデアや方法、注意点などについて紹介いたしました。この記事で紹介した大事な点を、最後にもう1度まとめると、以下4点が挙げられます。
- ウォークインクローゼットの増設は、他の増設(書斎など)と一緒に工事をすると効率的
- 大型クローゼットを設置すれば家の顔である玄関がすっきりときれいになる
- ロフト収納の収納式階段は危険、床下収納もあまりおすすめできない
- 突っ張り棒や可動式収納棚を活用すれば、収納スペースも増え間仕切りや目隠しにもなる
「収納スペースを増やしたい」
「予算をかけずにリフォームしたい」
という人は、この記事を参考にして予算をかけずに収納力を高めましょう。
私の体験談
玄関というのは、意外と有効な収納スペースになります。
玄関を天井まで収納スペースとして活用しているご家庭は少ないのではないでしょうか。
元々玄関は外に物を出しやすい場所にあるので、アウトドア用品やレジャー用品を収納しておく場所として最適です。
玄関には靴箱以外のものを置かないというご家庭も多いのですが、考えを変えて、玄関を思い切って天井まで使える大型の収納スペースにしてしまいましょう。
そうすれば、家の中にはなかなか置きにくいような大型のレジャー用品なども気軽に収納しておけます。
そういった大型の用品はメンテナンスが必要になるものが多いですが、玄関は基本的には汚れても構わない場所です。
家の中だとメンテナンスしにくいものも、玄関であればメンテナンスしやすいので一石二鳥と言えます。
私が以前リフォームに関わったご家庭では、ゴルフ用品やスキー用品をまるごと収納できるような大型の収納棚を玄関に作りました。
メンテナンスもしやすくなり、持っていくときもすぐに車に乗せられると大変好評だったことを覚えています。