壁の仕上げをどのようにするか?
例えば、6畳間の場合、床面積は約10m²ですが、壁面積は約25 m²にもなります。
床よりも2.5倍も広いのが内壁ですから、この仕上げ方法を替えるだけで、部屋の雰囲気がガラッと変わります。
一般的には、キッチンは汚れがつきにくく、簡単に掃除ができるもの。トイレ・洗面所は、防水性・防カビ性に優れたもの。
リビングは、凝ったデザインのもの。子ども部屋は、汚れを落としやすいもの。
といったように用途や場所に応じて壁の仕上げ方法を選ぶことが多いようです。
内壁の仕上げの代表的なものは、壁クロス、板張り、タイル、塗り壁、ガラスブロックなどですが、それぞれに特徴があります。
せっかくリフォームするのですから、素材にこだわり、自分の好みの仕上げを見つけましょう。そのためには、実際の現場を数多く見ることをおすすめします。
住宅リフォームアイデア1
幅広く応用できる壁クロス
手頃な価格から高価格のもので幅広い価格帯がある壁クロスは、性能やデザインが豊富で、もっとも人気がある商品です。
防臭性や防カビ性、防火性などの性能が付加された商品もありますので、使用用途によって使い分けることができます。
材質についても、ビニール・布・紙などがあり、和風・洋風を問わず、思い描くままにインテリアを演出することができます。
住宅リフォームアイデア2
木の温もりを感じる板張り
ナチュラルなインテリアに欠かせないのが板張りです。
木の温もりを感じさせてくれます。天然の無垢板や合板に薄い銘木を貼り付けたものなどがあり、木の種類によって様々な雰囲気を演出できます。
壁全面を板張りにしてしまうと、重苦しく感じられることもありますので、その場合は、腰の高さまで板張りにして、上部を明るい壁クロスやタイルなどの仕上げにすると良いでしょう。
住宅リフォームアイデア3
個性的な演出をするならタイル
内壁で使用するタイルは、天然石や煉瓦など、デザインが豊富で、部屋を個性的に演出するには最適の仕上げで、グレードアップ感を出すことができます。
壁クロスと比べると、施工日数がかかり、費用が嵩むというのがデメリットです。
しかし火や水、キズに強く、耐久性に優れていますので、長期間その風合いを楽しむことができます。
住宅リフォームアイデア4
自然素材を活かした塗り壁
住宅リフォームにおいて漆喰や珪藻土などの自然素材を活かした素朴な風合いの塗り壁には、根強い人気があります。特に珪藻土は、健康素材として注目を集めています。
「和室リフォームのアイデア」で紹介しましたが、珪藻土は、部屋の湿度を快適に調整してくれますので、居心地の良い空間を作り、結露によるカビの増殖を防いでくれます。
珪藻土の塗り壁を施工する際に注意すべきことは、下地が平滑でなければならず、歪んでいたり、傷んでいる場合は、別途下地の工事が必要になることです。
住宅リフォームアイデア5
光を採り入れたいときはガラスブロック
ガラスブロックは、公共施設などでよく使用されていますが、最近では、一般の住宅でも使われるようになりました。
強度が強いため施工方法を工夫すれば、外壁にも使える優れものです。仕上げ工事をする必要がありませんので、費用は意外と安く抑えられます。
ガラスブロックは、光を通しながらも遮音性や断熱性に優れていますので、家の中に光を採り入れたいときには、とても便利な素材です。
床材の選び方
リフォームで部屋のイメージを変えたいときは、まずは内壁、次に床を替えることです。なぜなら、内壁に次いで面積が広いのが床だからです。
床材の代表的なものは、フローリング、カーペット、コルク、クッションフロアシート、タイル、畳などがあります。
かつての営業マン時代、個人的に好きな床材はコルクでした。

そのお客さまは、普段スリッパをまったく履かなかったのです。日本人には、スリッパを履くのが嫌いな人が多いといわれていますが、まさに典型的な人でした。
私がスリッパ嫌いのお客さまに床材としておすすめしたのがコルクでした。コルクは柔らかくて足触りが良く、吸音性にも優れていますので、とても気に入ってもらえました。
足触りが良いフローリング
ナチュラルな風合いと足触りの良さで、もっとも人気があるのがフローリング。
天然の無垢板や合板に薄い銘木を貼り付けたものなどがありますので、木の種類や貼り方によって部屋のイメージを一新させることができます。
注意すべき点は、マンションでは、階下に音が響きやすいので、衝撃吸収マットなどを敷いた防音性の高いフローリングを使用する必要があります。
防音性のほかに、水回り用として防水性が付加されたものやキズが付かないように特殊加工したものなど、様々な性能をもたせたフローリングがありますので、使用用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
防音性に優れているカーペット
柔らかくて滑りにくく、防音性に優れているのがカーペット。消臭や防ダニ、抗菌・防汚加工などを施したものもあります。
デメリットは、掃除が面倒で、シミが付きやすく、繊維質のためダニが付着、繁殖しやすいことです。
水をこぼしたりすると、乾くまで時間がかかるのも、デメリットになります。
最近は、「タイルカーペット」と呼ばれる正方形のカーペットを組み合わせて床に敷き詰めるタイプが販売されています。
このタイプですと、水をこぼしたり、汚れてもその1枚だけを交換すれば済みますので、とても便利です。
足腰の負担が少ないコルク
足触りが柔らかく、滑りにくく、適度な弾力性と高い吸音性を特徴とするのがコルク。
コルク樫の樹皮を原料にして焼き固めたもので、水に強く、掃除も簡単。適度な弾力性は、足腰の負担を少なくして、万一転倒しても衝撃が緩和されるメリットがあります。
しかし長時間陽差しに当たると、コルクが白く退色してしまうのがデメリットです。
素材を活かして表面をワックス仕上げにしたものや耐久性を高めた塗装仕上げにしたものなども販売されています。
掃除がとても簡単なクッションフロアシート
クッション性の高い塩化ビニルを使用した床材がクッションフロアシート。
フローリングよりも工事費が安く、汚れやキズが付きにくく、水をこぼしても簡単に拭きとれ、掃除がとても簡単です。
弾力性と吸音性に優れていますので、階下に音が響くことや転倒して怪我をする心配がありません。
デメリットとしては、家具などを置くと凹みができてしまうこと。素材がビニルのため熱に弱く、熱湯をこぼしたりすると、白く変色してしまうことです。
清潔感あふれるタイル
水に強く、耐久性に優れ、清潔感があふれるのがタイル。色や柄、デザインが豊富で、掃除が簡単なので、トイレや洗面所に限らず、キッチンやリビングの床にも使われています。
テラコッタ調や煉瓦調などのタイルを使えば、魅力的なインテリアを演出できます。
床暖房と併用すれば、夏は冷たく、冬は暖かい住環境を整備できます。
タイルの表面が固いので、物を落としたときに割れやすく、足の負担が大きく疲れやすいというデメリットがあります。
和の趣きを感じる畳
裸足でも気持ちが良く、気軽に寝転がれる畳は、和室にはなくてはならない床材。
和の趣きを感じる素材で、吸湿性が高く、室温を適切に保つ自然の加湿作用があるといわれています。
畳床には、昔ながらのワラ床と化学床の2種類があり、通気性の低いマンションでは、化学床が主流になっています。
デメリットは、メンテナンスに手間と費用がかかること。畳替えや裏返しは、定期的に専門業者に依頼しなけれならず、費用も安くはありません。
バリアフリーに適した床材ともいえませんので、最近はリフォームで畳を使うケースが少なくなっています。
小さなサンプルでは決めない

壁紙のサンプルを見て、ちょうどいい感じの色だと思っていても、広い壁紙として使用すると、イメージが異なることがよくあります。
実際の壁紙の色が、サンプルよりも濃く感じるようです。図柄についても、同じことがいえます。
カタログのサンプルから気に入った図柄を選んでも、実際に壁紙に使ってみると、思ったほど図柄が目立たず、周りのインテリアに埋没してしまうことがよくあります。
壁紙や床材を選ぶ際は、まずカタログ帳のサンプルの中からいくつか気に入ったものを選びます。次に選んだもののさらに大きいサンプルを用意してもらって、最終的に決めるようにしましょう。
ポイント
大きなサンプルを実際に貼る部屋の壁面や床に並べてみると、でき上がりのイメージに近い状態で判断できます。
屋根リフォームで一番大切なのは定期点検
屋根は、常に風雨や直射日光に晒されています。
新築当時は美しかった屋根でも、定期的に手を加えなければ、自然と老朽化します。
自然の過酷な状況下に晒されている屋根は、その影響を受けやすく、普段は目が届かない場所だけに気を配る必要があります。
雨漏りは、目に見えるものだけとは限りません。
屋根から家の中に流れ込んできた雨漏りは、目で見つけられますが、屋根の中から軒先に流れ出ている雨漏りもあるのです。
雨漏りにより屋根の下地が腐食してしまうと、応急処置的な修繕では済まなくなり、大がかりな工事が必要になり、出費が嵩みます。
ということで、屋根で一番大切なことは、定期的なメンテナンスなのです。
5年に1度は専門業者に雨漏りを含めて屋根の状態を点検してもらうようにしましょう。
家を守る役割を果たす雨樋
雨樋は、屋根に降り注いだ雨水を外に排水し、雨水の侵入による家の腐食を防ぐという大切な役割を担っています。
もし雨樋がなかったら、雨水が屋根の軒先から外壁に直接伝わり、外壁内部を腐食させます。
雨水が屋根から直接地面に落ちると、地面に溝ができて家の基礎部分が不安定になり、老朽化を早めます。雨樋は、家を守る大切な役割を果たしているのです。
雨樋は、横樋で屋根の雨水を集め、縦樋で地面に流す構造になっています。
横樋に枯葉やゴミが詰まっていると、雨水が流れずに漏れてしまいます。縦樋が詰まると、横樋で集めた雨水が流れずに軒先にあふれてしまいます。
近くに高い木がある場合などは、頻繁に雨樋を掃除する必要があり、それが面倒な場合は、枯葉などが入り込まないように網を被せる対策などをとる必要があります。
注意ポイント
屋根や外壁を点検する際、忘れずに雨樋も一緒に点検するようにしましょう。
雨樋の補修工事では、足場が必要になるケースが多く、屋根の補修や外壁の塗装などの工事と一緒にすれば、足場を組む費用を節約できます。
優れた耐久性のガルバリウム鋼板屋根
最近、注目されているのが、ガルバリウム鋼板製の屋根材です。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛・シリコンの合金をメッキ加工した鋼板。
デザイン性が高く、スレート屋根風にも、瓦屋根風にも自在にできます。
トタンと同じ金属系の屋根材ですが、はるかに耐用年数が長く、軽量で比較的低価格なのが魅力です。
スレート屋根と同程度の価格でありながら、瓦屋根と同程度の強度があるといわれており、ガルバリウム鋼板を採用する人が増えています。
外壁リフォームにおいて塗装の耐久年数の違い
外壁塗装でポイントになるのが、塗装する部分の材質によって再塗装に必要な期間が異なることです。
例えば、モルタル製であれば10年に1度で済みますが、木部や鉄部は5年に1度は再塗装する必要があります。
このような場合、10年経過後に全部まとめて再塗装するというメンテナンスでは、木部や鉄部の下地がすでに腐食しているおそれがあります。
下地の腐食が始まっていると、メンテナンスのレベルでは済まなくなり、大がかりな工事が必要になり、工事費が嵩んでしまいます。
注意ポイント
外壁を長もちさせるには、材質ごとに適切な時期を見定めて、早めにメンテナンスを行うことを心がけることです。
早めに手を入れておけば、工事期間が短く、費用も安く抑えられます。
外壁リフォームにおいて外壁のひび割れは要注意!
外壁は、一見綺麗に見えても、ひび割れを起こしていることがあります。
ひび割れには、はっきりと分かる大きなひび割れと毛髪ほどの細かなひび割れがあります。
大きなひび割れは、外壁部分の問題にとどまらず、基礎部分に問題があるケースもありますので、早急に検査をして原因をつきとめる必要があります。
毛髪ほどの細かなひび割れは、「ヘアークラック」と呼ばれるもので、大した問題ではないように思えますが、これが毛細管現象で壁内に雨水を呼び込むことがあります。
気づかずそのままにしておくと、壁内に雨水が浸透して下地を腐食させていたということが起こりますので、要注意です。
塗装は素人には分かりにくい!
外壁塗装をローラーで仕上げる場合、同じ塗料を使っていても、ローラーの種類によって壁の厚みが異なります。
塗料の濃度によっても、厚みにムラが出ますが、塗装が終わった直後では、見分けがつきません。
数年後に壁が変色したり、下地が見えたりすることで塗装の不具合に気づくのです。
何を言いたのかと言いますと、外壁塗装のでき栄えは、施工業者の力量にかかっているということです。
ムラのない綺麗な塗装にするためには、洗浄などの下地処理をきちんと行うことが必要になりますが、このような手間を惜しむ業者が行うと、必ずムラが出て綺麗に仕上げられません。
しかし塗装は、素人には分かりにくいものなので、すぐには不具合に気づかないのです。
注意ポイント
外壁は、定期点検をきちんと行う必要がありますので、メンテナンスを含めて塗装工事は、信頼できる業者に依頼することがとても大切です。
飛び込みで営業にくる業者などは論外であることは、言うまでもありません。
外壁リフォームにおいて外壁塗装は必ず試し塗りを!
外壁の色を選ぶ際、カタログのサンプルを見て選んでも、思い描いた色にならないことがよくあります。
外壁の面積が広いので、実際にでき上がると、サンプルよりも明るく、色味をはっきりと感じるのです。
このようなことを避けるためには、外壁の塗装の際は、必ず試し塗りをしてもらうことが必要です。
サンプルだけで選んでイメージどおりに仕上がらず、失敗するケースが少なくありませんので、注意しましょう。