「家の中に和室をつくりたい」
「庭やカーポートが欲しい」
「書斎のある家にしたい」
など、もう一部屋・一施設、家を増設したいと考えている人は多いのではないでしょうか。
増設することで、より快適に暮らせるようになり、毎日の生活が楽しくなります。
しかし、安易に増設してしまうと、多額の予算がかかるうえ、「結局は使わない」なんてこともあるため注意が必要です。
そこで今回は、もう一部屋・一施設欲しい時のポイントや注意点について紹介しています。
この記事をご覧いただくことで、より効果的なリフォームができるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.念願の書斎も使われていないケースが少なくない
家庭を支える男性のマイホームへの想いの一つと言えば、書斎をつくることではないでしょうか。
集中して仕事や読書ができるスペースが家の中にあることは、とても大事です。
予算が厳しい家であっても「狭くてもいいから書斎が欲しい」というのが男性の本音ではないでしょうか。
書斎は、「デン(den)」と呼ばれる広めの部屋で応接間のようなタイプもあれば、「ライブラリー」と呼ばれる、デンよりもさらに広い部屋の2つのスタイルがあります。
とはいっても、書斎でこのような広いスペースを確保できる家はほとんどありません。
実際には、寝室のコーナー部分や階段下などに、コンパクトな書斎を設けているケースが多いです。
日本の家は海外に比べると割高で狭いため、デンやライブラリーのような広い書斎は非現実的で、コックピット風のコンパクトな書斎をつくるのが現状となっています。
しかし、念願の想いからつくった書斎も、ほとんど使われていないケースが少くありません。
場合によっては、書斎が物置となっていて、物が溢れている家もあるようです。
せっかく、自分の時間を過ごしたいとつくった書斎ですが、なぜ使わないのでしょうか。
実際に、書斎を使っていない人に話を聞くと、次のような理由を述べられます。
「夏は暑くて冬は寒いので集中して過ごせない。狭い空間だから空調機器を揃えるのももったいない」
「隅っこのスペースだから窮屈で長時間集中は難しい。リビングの方が集中できる」
「書斎だけ離れた場所にあるので掃除が行き届いておらず、ホコリがあるから結局使わない」
このような理由から、書斎が物置と化している人は少なくないようです。
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2.奥さんは現実的な家事室。書斎と合わせてつくれば効率的
男性は書斎を欲しがる一方で、女性は家事室が欲しい人が多いようです。
洗濯機や掃除道具がコンパクトに組み込まれていて、机があるため簡単な作業も可能です。
書斎は使わなくなるケースもありますが、家事室はしっかりと使われることが多いため現実的といえます。
そのため、男性が希望する書斎と女性が希望する家事室を、合わせてつくるのも効果的です。
キッチンのコーナーに細長いテーブル等を設置して、日中は家事室として使い、夕方以降は書斎スペースとして使えます。夫婦で並んで作業をしてもいいでしょう。
「書斎だけ」「家事室だけ」をつくるのもいいですが、両方使えるようにすれば、スペースもリフォーム予算も抑えることが可能です。
3.和室の増設
以前は、新築住宅にも和室があってあたりまえでしたが、現在では和室がない新築住宅も非常に多くなりました。
新築当初は
「和室よりもすべてフローリングがいい」
と考えている夫婦でも、ある程度年齢を重ねると
「和室があった方が落ち着く」
「畳の上でゆっくりくつろぎたい」
と、和室を欲しがるようになることはよくある話です。
和室は、くつろぎや安らぎの空間としてだけではなく、寝室や食卓の場、応接間、家族団らんの間など、さまざまな用途に使える場所です。
そのため、フローリングメインの洋風の家に、リフォームで和室を増設する家庭が増えています。
3-1.和室を増設する際のパターン
和室を増設するパターンにはいくつかあります。
1つ目が、庭の一部をつぶして和室を増設するパターンです。
この場合は、本格的な和室が欲しい場合に考えられますが、あまりおすすめとはいえません。なぜなら、日常の居住スペースと離れてしまうためです。
2つ目は、リビングなどの一部に畳を置いて高床の畳コーナーをつくるパターンです。
従来の和室とは雰囲気が違いますが、現代風であり、ある程度のスペースがあればどこにでも設置できます。
ただし、従来の和室の雰囲気を求めている人にとっては、違和感を感じることでしょう。
3つ目は、洋風の部屋を和風としても使えるように二重構造にする方法で、
「和室は欲しいけどフローリング部分をなくしたくない」
という人におすすめです。具体的には、畳床が収納できる壁や家具を設置して、必要に応じて畳を引き出し和室化ができます。
他にも、和室を増設する方法はいくつかありますが、自分たちの予算やスペースなど、希望の条件に合った方法を選ぶことが大事です。
本格的な和室をつくる方法から、畳を置いたり二重構造にする方法など、さまざまな和室化について検討してみましょう。
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4.庭はベランダにつくる
庭付きのマイホームを持ちたいと考えている人は少なくないのではないでしょうか。
しかし、都市部で庭付きマイホームを持つとなると、価格が高いため実現することが簡単ではありません。建売住宅でも庭付きでないものがたくさん販売されています。
しかし、高いからといって庭付きマイホームを諦める必要はありません。一戸建て、マンションどちらでも、ベランダを活用すればちょっとした庭がつくれます。
一般的に、庭をつくるとなれば、土地スペースが必要ですし、多額の工事費用がかかります。
ベランダに自作する庭であれば、大規模な工事が必要ないためほとんど費用はかかりません。自作なので完全オリジナルの庭をつくることが可能です。
ベランダの床に白い砂を敷き詰めて石を並べ、くし目を入れればオリジナルの石庭ができあがります。
盆栽や鉢植えなどを置いてもよいでしょう。
ベランダのフェンスの内側に鏡を付ければ、奥行きも演出してくれるため狭さは感じません。また、鏡をコの字型やL字型に取り付ければ、さらに広く演出が可能です。
ただし、あまりに重い石を選んでしまうとベランダに相当な負荷がかかり危険ですので、本物のように見えるつくりものを選ぶようにしましょう。
つくりものであれば、非常に軽いため、ベランダに負荷がかかりすぎることはありません。
庭のない一戸建てやマンションでも、ベランダを活用すれば立派な庭付きマイホームができあがります。
5.トップライトで光を有効に取り入れる
間取りの中に、ガラス屋根と建具でつくられたサンルームを設けるケースがあります。
都会のような密集地では特に人気があり、光を有効に取り入れることが可能です。
しかし、サンルームを設けても、狭い裏庭ではあまり有効とはいえません。隣家や道行く人の視線を気にしながら使わなければいけないためです。
そこでおすすめなのが、天井を強化ガラスのトップライトにした部屋を増設する方法です。
この方法であれば、壁に窓をつくらなくても天井から光が入るため、いつでも明るい部屋ができあがります。
壁に窓がなければ、絵画を飾ったり棚を設置するなど、さまざまな使い方が可能です。
また、側面をルーバー窓にすれば風通しもよくなります。
このような方法であれば、都市部の密集地で隣家との間に余裕がない場合も、しっかりと光を取り入れられます。
「周囲が気になって窓を有効活用できない」「もっと光のある生活空間をつくりたい」という場合におすすめです。
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6.カーポートが欲しい時には
家族が増え、子供が成長するにあたり必要となるのは、子供部屋だけではありません。
「愛車を風雨から守るため」などの理由で、車のある家庭であればカーポートが必要になる場合があります。
子供部屋や勉強部屋、書斎、寝室などであれば、1つの部屋をうまく活用することで対応できることもありますが、さすがにカーポートはそのような対応でつくることはできません。
カーポートをつくるとなると、庭をつぶしてガレージ等をつくるか、近くの月極駐車場を借りるかになります。
しかし、つぶせる庭もなく、近くに月極駐車場もない場合はどうすればいいのでしょうか。
6-1.家の地下を掘ったり、中二階にしてつくる
もし、家の前にある道路が敷地より低い場合や坂道の場合は、カーポートをつくることは比較的簡単です。
家の地下を掘ることで、半地下のカーポートがつくれます。また、建物の一部を取り壊してカーポートに改造する方法もあります。
たとえば、家の一部をリフォームで半階上げて中二階にすれば、下にガレージをつくることが可能です。
もちろん、土地や住宅の状況にもよりますが、決して難しい工事ではありません。
このように、建物・土地のスペースを有効活用すれば、カーポートがつくれます。
工事費用はある程度かかりますが、自宅に駐車場ができれば月極駐車場代もかかりません。
既に車を持っている人だけでなく、これから車の購入を考えていて、自宅へのカーポート設置も検討している場合は、早めに計画するようにしましょう。
子供部屋や寝室、リビングなど、他の部屋のリフォーム時期と重なる可能性もあるため、早めに計画することで、予算の目処も立てやすくなります。
6-2.カーポートでランニングコストを抑える
自宅にカーポートをつくるとなると、ある程度の費用がかかります。
土地や建物状況、業者、カーポートの素材や形状によっても変わりますが、30万円〜50万円程度かかるケースもあります。
カーポート設置にあたり、まとまった費用はかかりますが、先に述べたように月極駐車場代がかからないため長く使えば経済的です。
また、車を雨風から守るため、維持管理コストも安く抑えられます。
カーポートを設置することで、ランニングコストを抑えられますので、ぜひ検討してみましょう。
6-3.窓を開けられる浴室にしたい
住宅が密集した都市部においては、カーテンや窓を全開にした開放的な暮らしはなかなかできません。
昼間は近所や外を歩く人が見えて気になりますし、夜は周囲から丸見えになってしまいます。
着替える時は窓のカーテンを閉めなければなりませんし、トイレや浴室に窓があっても開けることは難しいです。
せっかく、浴室に窓があるのであれば、せめて夏場ぐらいは窓を全開にして入浴を楽しみたいものですが、閉めたままの家が多いのが現状です。
しかし、浴室にある窓が、すりガラスであれば、閉めていたとしてもあまり効果はありません。
すりガラスであれば、シルエットがある程度はっきりと見えるためです。入浴中でガラスの内側が濡れている場合は、さらに透明度は高くなります。
小さい窓であれば、外から見られる心配もほとんどありませんが、大きな窓やわりと低い位置に窓がある場合は注意しなければなりません。これは、浴室だけでなくトイレでも同様です。
6-4.空間をつくることで窓全開で利用できる
最近の建売住宅の傾向として、浴室とトイレが洗面所をはさんで横に並んでいます。
そのため、浴室とトイレの壁を裏庭側に出して出窓をつくると、洗面所と浴室・トイレに囲まれた空間ができあがります。
そして、その空間に向かって浴室やトイレに窓を取り付ければ、周囲を気にせず窓を開けて利用することが可能です。
つくった空間部分は、目隠しルーバーなどを設置することで風通しを確保したり、出窓の屋根をトップライトにするなどすれば、プライバシーを守りつつ快適な空間を実現できます。
季節や時間関係なく、いつでも好きな時に窓を開けられるため、快適で心地よい時間を過ごすことが可能です。
「窓を開けて開放的な気分で入浴したい」「トイレの窓が完全に飾りになっている」という方におすすめのリフォーム方法です。
今回は、もう1部屋・1施設欲しい時のポイントや注意点について紹介いたしました。あらためて、この記事で紹介した大事な点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
ポイント
- 書斎は物置になる場合もあるため、奥さんの家事室と兼用でつくると効率的
- 和室は、フローリングに畳を置いたり二重構造にすることでもつくれる
- ベランダを有効活用すれば庭付きマイホームに変身できる
- リフォームで空間をつくれば窓が堂々と開けられる浴室・トイレにできる
- 不満解消やリフォーム方法には、さまざまな方法がある
この記事を参考にして、効果的・効率的に増設・リフォーム計画を立ててください。
私の体験談
私の印象ですが、家に思い入れを強く持っているのは女性より男性が多いように感じます。
実際に家で過ごす時間自体は、奥様の方がご主人より長いというご家庭が多いのです。
しかし、一国一城の主という言葉があるように、家を買うことを一つの目標にし、いずれ自分の理想の空間にしたいという思いを持っている男性は、非常に多いです。
そういった男性の願いを叶えることも、私たちの仕事のひとつだと強く思っています。
私が取り組んだリフォームの中では、2台分あったガレージの片側を、自分の作業ルームにしたいと言う方がいらっしゃいました。
コンクリートで作られたガレージに板張りなどを行い、電気回線を引き、断熱性や居住性を持たせて山小屋かのように、大掛かりなリフォームを行いました。
プランニングや素材の選び方、そしてデザインまで完成するまで大変に時間がかかりましたが、その分お客様の満足度も高く、こちらも取り組んだ甲斐がありました。
大変印象強く記憶に残っています。