いざリフォームをしようと思ってもどこに相談したら良いか分からないことが多いですよね。
リフォーム業者には、大手から地元の工務店まで様々あります。工事以前に、まず相談する相手を考えましょう。
目次
1.リフォームの相談相手
長年住んだ家であれ、住み始めて1年に満たない新築であれ、住めばいろいろと不満や不都合、または「もっとこうしたい」という希望が出てくるものです。
つまり、リフォームの希望は、多くの人が潜在的に持っていると言えます。しかし、飛び込みの営業マンやポストに入っていたチラシに興味を引かれ、飛びついてしまうのは危険です。
リフォーム工事は新築以上に高いプランニング能力や施工能力が必要とされます。
情報収集をきっちり行わないと、不本意なリフォーム結果になることもありえます。
リフォーム相談窓口について
リフォームの相談をする場合、窓口になるところを次に紹介します。
1.リフォーム業者
大手リフォーム業者から設備メーカーの工事店、地元の工務店などさまざまな業者が含まれます。
耐震補強専門の工事店や、シロアリ防除専門業者、屋根の修繕専門業者などの営業担当者が訪問し、修繕などの工事をきっかけにリフォームの話に発展することも多いようです。
しっかり調べておきたいのは、その業者の能力です。
業者主導で話が進み、本来の希望と離れた契約内容にならないように、しっかりと確認する必要があります。
2.市町村の窓口
役所に設置されている住宅リフォーム相談や住宅増改築修繕相談、住宅リフォームセンターなどでは、増改築相談員が定期的に相談に応じています。
しかし、相談員が業者である可能性もあるので注意が必要です。
3.建築設計事務所
建築家の中にはリフォームを得意としていて、依頼主の話をよく聞き、プランを練ってくれる人も多くいます。
しかし、リフォームをやりたがらない建築家や、リフォームの経験がほとんどない建築家もいるのでまずはよく話合ってみましょう。
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2.リフォームに関する資格
リフォームに関連する資格にはさまざまなものがあります。
各資格は、法律に基づいて定められた国家資格と、財団・社団法人などの公益法人が認定する資格、そして民間企業が独自に設けている資格に分けられます。
主要なものについて次に簡単に説明をします。
2-1.リフォーム業を行うために必要不可欠な資格はない
前提として、リフォームは無資格でも工事できるので、必要不可欠な資格というものはありません。
ただし、増改築、大規模修繕・模様替えの際に確認申請が必要な場合は、建築士でなければ行うことができません。
その他の資格について、業者が資格を提示してきたら、それがどのようなものなのかしっかりと確認したいものです。
インテリアコーディネーター
インテリア関連商品についての知識があり、インテリアの計画や商品選択のアドバイスを行うことが仕事です。
インテリアプランナー
インテリアコーディネーター同様、インテリアに関する知識やプランニング能力を証明する資格です。
2次試験ではインテリアに設計に関する設計製図試験が含まれています。
福祉住環境コーディネーター
医療、福祉、建築などに関する体系的で幅広い知識を有し、各種専門家と連携をとりながら、主に高齢者や障害者に対して住環境の改善や提案をすることができる技術を認める資格です。
バリアフリー住宅の新築や、バリアフリー・リフォームの際のコーディネート、福祉用具などの選択のアドバイス、福祉施策についての情報提供などが主な仕事になります。
試験内容によって1~3級に分けられています。
増改築相談員
リフォーム工事全般に対する知識を持ち、利用者からの相談に乗るのが主な仕事です。
試験はなく、建築業界に10年以上携わり、財団が企画する研修会に参加して、考査に合格した人が登録されます。
マンションリフォームマネジャー
増改築相談員を認定している財団法人が、マンションのリフォームに関する知識を有し、試験に合格した人に与える資格です。
DIYアドバイザー
住まい手自らがDIYで家の手入れ、補修、改善などを行うにあたって、相談を受け、アドバイスを行うことが主な仕事です。
建築士
一級建築士、二級建築士、木造建築士に分けられています。
一級建築士は、国土交通大臣の免許を受け、設計・工事監理などの業務を行う資格です。
二級建築士、木造建築士は、ともに都道府県知事の免許を受け、設計・工事監理などの業務を行う資格ですが、木造建築士は木造建築物のみを取り扱うことができます。
耐震建築士
日本では、「耐震診断」について、国家が定めた資格は一切ありません。
耐震診断に「耐震診断士」等の資格的な呼称があったら、それは「自称」なので注意が必要です。
なお、地方自治体等で研修を実施し、受講対象者を「耐震診断士」と認定している場合(横浜市・名古屋市など)がありますが、これは民間の「自称」とは異なります。
以上の他、建築施工管理技士、電気施工管理技士、建築・設備総合管理技術者、建築仕上診断技術者などがあります。
また、マンションなど共同住宅に関する資格として、管理業務主任者(国家資格)、マンション管理士(国家資格)があります。
3.リフォームの施工トラブルやリフォーム失敗例
単純に技術や知識の不足がその一番の理由です。
3-1.リフォーム詐欺
リフォームのトラブルというと、まず挙げられるのがリフォームをネタにした詐欺事件かもしれません。
ひどいものでは「床下を見てきます」とビデオカメラを持って床下に入り、違う建物の床下の映像を居住者に見せて「こんなにひどいことになっていますよ」と信じ込ませて改修させるといったことが、現実にありました。
リフォームの営業担当者が飛び込みでやってくることはよくありますが、その時に相手が本当に名刺に書かれた通りの人物なのか、建築的な知識を持っているのかを確認するのは、トラブルに巻き込まれないために必要なことです。
3-2.構造に絡む工事で起きる大きなトラブル
リフォーム工事終了後に、仕上げが悪い、指定と違うものが使われている、などというトラブルが起きることもあります。
しかし、内装クロスを張り替える程度の工事であれば、工事完了時にチェックし、不具合を伝えて直してもらえば良いことなので、模様替え程度で大きなトラブルに発展することはまずありません。
あったとしても、経費や材料費が多少追加となる程度でしょう。
問題になるのは、柱、梁、筋違いなどの構造体に手を加える場合です。
構造上支障のある危険な状態になることもあり、大地震や災害がおきた場合、そうした建物は倒壊する可能性があります。
いい加減な判断が住まう人の命を奪うことにもなるのです。
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4.リフォームでも設計は重要
新築もそうですが、リフォームでも大掛かりな工事になるときは設計、施工、監理の3者がそれぞれの仕事を検討し合ったりチェックし合ったりすることが大切です。
中でも、特に建物の肝となる構造設計は極めて重要です。そして、構造設計を行うには建築士資格が必要です。
リフォームでは、住宅の現状図面が見当たらなかったり、また図面はあっても、必要な情報が描かれていなかったりと、工事自体が場当たり的に行われているケースが多く見られます。
これは、工事内容を示す見積りが不明瞭になることにもつながります。
工事が終わってから追加見積もりが出てくることも、珍しくありません。
4-1.リフォーム工事前はしっかりと調査を
比較的規模の大きなリフォームは、はじめに建物の状態をしっかり調査や診断をしておくことが大切です。
これによってはじめて建物の傷みや改善すべき点を検討できるようになるのです。
特に床下や小屋裏など構造部分の点検は、専門家に見てもらうことが必要です。
無料と称して点検を行っている業者が多々ありますが、見えない部分に対する業者の判断を真に受けることはトラブルになる可能性が高いです。
点検は調査としてきちんと専門家に依頼しましょう。
調査結果によって事前の対策や判断ができるようになり、それが工事内容と見積りに生かされ、確かなリフォーム設計が可能になるのです。
4-2.大規模リフォームはプロによるシビアなチェックが必要
模様替えや修繕程度のリフォームでは、建築士のような資格がなくてもインテリコーディネーターやリフォームマネージャーなどがプランを立てることは充分可能です。
問題は、構造が絡むような増改築や改装のレベルのリフォームを行う場合です。
実際にリフォーム工事を行う業者の選定は、一般の人には難しい部分です。
大手の業者に依頼すると、工事業者も自動的に決まりますが、建築設計事務所に依頼すると、担当の建築家が工事内容に適した業者を選びます。
また、大規模で新築並みにコストのかかる工事であれば、相見積もりを取り選定してくれます。
工事に入ってから監理をしてくれることも、建築設計事務所に依頼する大きなメリットです。
リフォーム工事は高度な技術を必要とするので、きちんと施工されているかチェックする立場の人間の存在が非常に大きいのです。
構造体に手を入れるような大掛かりな工事では管理が必須だと言い切れます。
欠陥住宅問題の多くは、工事をシビアにチェックする工事管理者の不在が原因だといわれています。
5.建築家のリフォーム設計について
全員ではありませんが、リフォームの設計を手がけている建築家はいます。
また、大掛かりなリフォームでは建築士資格がないと設計できないものもあります。
建築家はインテリアや外装に関する知識も豊富に持っています。
塗料はどれが長持ちするのか、屋根材はどれがベストなのか、などといった材料の相談にも乗ることは可能です。
5-1主要構造部に手を加えるときは建築家の助けが必要
主要構造部に手を加えない、例えば補修程度の作業であれば建築家に頼まなくてもできる可能性はあります。
しかし、壁を動かしたり、階段の位置を変えたり、というように主要構造部に手を加える場合は、建築家に相談することが賢明です。
構造部分の設計や検討をできる資格を持つ建築家は、建築主にとって良いパートナーとなりえます。
大手リフォーム業者でも、こうした工事の場合は、建築士の資格を持った人が設計します。
5-2.リフォームを設計してくれる建築家を探す
どのような既存建物でも、本来は建築設計管理者がいるはずなので、その建築設計管理者にリフォームの設計管理を依頼するのがベストです。
ただ、この設計者が信頼できる人であれば問題はないのですが、既存建物自体に問題があってリフォームを行う場合は、他の建築家を探したほうが賢明です。
幸い、今はインターネットや雑誌など情報が充実していますので、リフォームに強い建築家について、探してみてください。
5-3建築家の意識改革も必要
新築の設計ができる建築家なら、経験次第でリフォームの設計もできるようになります。
ただし、工事代金の総額が新築よりは低くなるため、あまりやりたがらない建築家が多いのも実情です。
これが「建築家は敷居が高い」と思われてしまうひとつの要因かもしれません。
しかし、リフォームの要望が増えている実情とバリアフリー・リフォームなど高度なプランニング能力を必要とする場合や、豊富な専門知識がなければできないリフォームもあるので、リフォームに対する建築家の意識改革も必要です。
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6.リフォーム工事の設計・監理を頼むメリットは?
6-1.建築家ならではの高度なテクニックと知識
建築設計事務所に設計や管理を頼むと、当然ながらその分の設計監理料が発生します。
費用はかかりますが、リフォームは新築よりも高度なテクニックと知識を必要とされますので、設計・管理のプロに任せるのが安心です。
設備だけでなく全体的な機能性を考えられるか、住人の後々の生活まで配慮できるか、構造について理解しているか・・・これは熟練した設計者でないと期待できない部分です。
設計施工の場合は、その会社に実力のある建築士がいるかどうかがポイントです。
特に、熱心な建築家は、依頼者の希望をよく汲み取り、単なる補修や設備の入れ替えではない、本来の意味でのリフォームを考えてくれるはずです。
また、たとえ一部分のリフォームだとしても、将来的なことを考え、家全体のまとまりがよくなるようなコーディネートをしてくれるのも建築家ならではです。
私の体験談
リフォーム工事は、注文住宅と同じように様々な業者が絡んでくるケースがあります。
どの人間に任せるべきか、どの工程は誰に任せるべきかなど、なかなか知識のない施主様が適切な指示を行うのは難しいです。
そこで頼りになるのが設計事務所です。
多くの人間をリフォームに介在させると、その分だけ人件費がかかってしまうと思いがちです。
しかし実態は逆であり、きちんと監督できる人間がいれば適切な人員配置や工程管理を行ってくれるので。総合的なコストはむしろ下がることが多いのです。
私が携わったリフォームでも、設計事務所の設計士さんが必要な工事をきちんと振り分けてくれたおかげで、工事日数を減らしてお客様のコストを削減できました。
携わる部分が管理されていると、実際に施工を行う人間にとっても大変仕事がしやすい環境になるものです。
そして、そういった管理能力がある設計士さんの周りには、自然と人と仕事が集まっていきます。
口コミで評判の良い設計士さんを探せば、コストを抑えて効率よくリフォームを行ってくれる人が見つかるでしょう。