20年間に及ぶリフォーム会社の営業マンとしての経験から、リフォームの動機は、次の4つに大別することができます。
目次
家をリフォームしたいと思う4つの動機
【動機1】家の老朽化
家が古くなって雨漏りなどが起こった場合は、修繕しなければなりません。
この場合は、不具合を直してしまえば、それで満足するケースが多いといえます。
【動機2】ライフスタイルの変化
結婚や出産、親との同居などでライフスタイルが変わったため、住居のリフォームを考える場合です。
間取りの変更や二世帯住宅など、プランニングがとても重要になります。
【動機3】住環境のグレードアップ
生活水準を向上させたいという思いから、リフォームして1ランク上の生活を目指す場合です。
最近は、このようなリフォームが増えています。まず生活をどのように改善したいのかを明確にすることがポイントになります。
改善事項を固められれば、あとはそれをどのようにリフォームに反映させるかを考えれば良いわけです。
【動機4】メンテナンス
屋根や外壁などから雨漏りがしないように定期的なメンテナンスを行う場合です。メンテナンスによって家を長持ちさせることができます。
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取り敢えずリフォームは失敗の元!
もちろん戸建住宅とマンションとでは、事情が異なります。重要なポイントは、動機を明確にすることです。
なぜなら、動機によってリフォームを任せる業者や実際に発注する内容が変わってくるからです。
取り敢えず雨漏りを修繕、取り敢えずお風呂を交換、といった取り敢えずリフォームするのは、良くありません。失敗の元になります。
たとえ小さなリフォームでも、それなりに費用はかかります。キッチンや浴室であれば、100万円以上かかってしまうこともあります。
リフォームでは、計画性がとても重要になりますから、きちんとしたリフォーム計画を立てるためにも、まずリフォームの動機を明確にしましょう。
大規模なリフォームは費用がかかる
リフォームの費用は、増改築で1,000万円。
リノベーションをすると1,500万円程度かかるのが一般的です。大規模なリフォームは、建て替えるのとあまり費用は変わりません。
かつて担当したお客さまで、築25年の戸建住宅をリフォームしようとした人がいました。
外壁や内装の改装、システムキッチンや浴室の取り替えで、費用の見積もり額は約1,300万円。この提示額に対して、お客さまからは、
「こんなに費用がかかるなんて、建て替えと変わりませんよ。すべてが新しくなるから、建替の方がいいんじゃないの?」
というクレームが寄せられました。
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定期的な住宅メンテナンスは家を長持ちさせる
将来的なリフォームを考える上でポイントになるのが、定期的なメンテナンスです。
家に支障が出てくれば、その時点で直せば良いという考え方では、家は長持ちしません。
3年~5年で定期的な点検を行い、きちんと家をメンテナスしていれば、大規模なリフォームをしなくても済みます。
メンテナンスをきちんとしていれば、少なくとも築25年で大規模なリフォームをする必要性は、まったくありません。
リフォーム計画は10年先のライフスタイルを見据える
リフォーム計画を立てるときのポイントは、10年後に再びリフォームしなくても良い家づくりをしているかどうかです。
リフォームには、それなりの費用がかかります。せっかくリフォームをしても、10年後に再びリフォームしなければならないと、費用がますます嵩みます。
リフォーム計画が10年後を見据えているか、間取り、内装や設備が10年後でも大丈夫なのか、などをきちんと確認するようにしましょう。
家族のライフサイクルに配慮した計画を立てることも大切です。
人間は誰でも齢をとります。10年経てば、50歳の人は60歳に、60歳の人は70歳になり、加齢による身体機能の衰えなどで、ライフスタイルがすっかり変わってしまいます。
10年後を見据える場合、家族のライフサイクルに配慮することも忘れないように。
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家のライフサイクルに合わせた住宅リフォームを
20年で数百件のリフォームを手がけ、小規模な営繕から大規模な増改築やリノベーションまで、様々な体験をしたことで気づいたことがあります。
それは、ムダのないリフォーム計画を立てるには、家族のライフサイクルだけではなく、「家のライフサイクル」にも配慮する必要があることです。
一般的には、5年後に防蟻工事、10年後に外壁と内装の塗装、20年後に屋根の葺き替えを行うのが適切だといわれています。
この適切な時期を逃すと工事費が膨らみ、早くしすぎるとムダな工事を行うことになります。
家のライフサイクルに伴う適切な工事の時期を逃さず、家族のライフサイクルにも配慮した計画を立てられれば、ムダのないリフォーム計画といえます。
住宅リフォームは施工業者の力量に左右される
実は、リフォーム工事は、注文住宅を新築するよりも難しいといわれています。
なぜなら、リフォームは、職人や施工業者の力量に大きく左右されるからです。
リフォームは、古い家に手を入れることになりますので、元の構造や躯体、建物の強度に大きな影響を及ぼします。
それは、家ごとに固有なもので、パターン化されたものではありません。
ケースバイケースで判断して構造や強度に悪影響を及ぼさないように配慮しなければなりません。すべては施工業者の力量にかかってくるのです。
法令によるリフォームの制限
リフォームが法令で制限される場合があります。建築基準法や都市計画法によって土地の利用が制限されている場合です。
特に見落としがちなのは、外構工事です。かつて担当したお客さまで、注文住宅を建てた5年後、門扉を大きくして、カーポートを造り直したいという人がいました。
実は、カーポートも建ぺい率や容積率という建築基準法の問題にひっかかるのです。
塀を高くする場合でも、構造体として申請が必要になる場合もあります。自分の家だからといって、無制限にリフォームできないことを覚えておきましょう。
法令上の問題がないかどうかは、計画の段階でリフォーム業者に確認するようにしましょう。
リフォームでも、大規模な増改築の場合、建築確認申請が必要な場合もありますので、特に留意する必要があります。
最近、中古の戸建住宅を購入してリフォームするケースが増えています。
中古戸建住宅のリフォーム
これから紹介するのは、大田区にある中古住宅を購入されてリフォームしようとしたお客さまのケースです。
建坪35坪程度の中古住宅を購入し、今でいうリノベーション工事の依頼がありました。
住宅設備や水回りの交換は、今か、それとも数年後か?
中古住宅を買うと、誰しも新築のように見せたくなるものです。それには、外壁や内装の貼り替え、浴室やキッチンなどの設備の交換を行うことが多いようです。
ここで気をつけなければならないのは、水回り設備の交換です。つまり浴室や洗面所、トイレやキッチンなどの設備の交換を、今すべきか、それともいったん住んだあとですべきかを判断することです。
長年の営業マンとして培った信念は、いきなり中古住宅をリフォームしてはいけないということです。
住んで使ってもいないのに、使い勝手が良いかどうかも分からないからです。
一度も使ったことのない浴室や洗面所、トイレやキッチンなどの水回り設備をいきなり替えるのは、無謀ともいえます。
その家に住んでみてはじめて、色々な発見があり、生活環境や導線が分かることで、浴室の広さはこれで良いのか、間取りはこのままで良いのか、キッチンの使い勝手はどうかなど、色々と考えさせられることが多いのです。
例えば、住んでみて部屋数が少ないと気づいた場合は、増築だってあり得るのです。
中古住宅を買ってすぐのリフォームは得策ではない
このように中古住宅を買って、いきなりリノベーション的に大規模なリフォームをするのは、得策ではありません。
それよりも、いったん住んでみて、家族のライフスタイルなどにも考慮して、リフォームを計画することがムダをなくし、費用を最小限に抑えられるのです。
前述の大田区のお客さまには、
とアドバイスしました。お客さまは、アドバイス通りに1年後リフォームを発注してくれました。
そうしたらどうでしょう? 1年後のリフォームの要望は、最初考えていたものとは、まったく違っていたのです。
最初にはなかった寝室に出窓を取付。浴槽は考えていたものよりも大きめものと交換。洗面所・トイレ・キッチンは支障がないのでそのまま使用など。
数年後にリフォームを計画した方が満足度が高い
このように数年後にリフォームを計画した方がお客さまの満足度が高く、ムダな出費を抑えられます。
中古住宅を買ってリフォームする場合は、数年我慢して住んでみてから、リフォームを計画することをおすすめします。
ただし、あまりにも部屋が汚れている場合は、比較的費用がかからないクロスの貼り替え程度は、行っても良いでしょう。
中古マンションのリフォーム
中古マンションのリフォームの利点は、間取りがスケルトンにもできること。つまり間取りの変更が容易にできることです。
マンションは間取りの変更が容易
一般的なマンションは、内部に構造躯体の柱が入っていないケースが多いので、間仕切りを取り払って2部屋を1部屋に、逆に間仕切りを入れて1部屋を2部屋にするなど、間取りの変更が容易です。
ただし、中古マンションを買っていきなりリフォームするのは、戸建の場合と同様に得策ではありません。
基本的には、中古マンションのリフォームも、いったん住んでみて、数年経ってからリフォームするのがおすすめです。
生活導線と結露がチェックポイント
マンションは1フロアですから、リフォームを考える場合、生活導線がまずチェックポイントになります。
生活導線を無視した間取りの変更は、生活に不便をきたす恐れがあり、失敗の元になります。
もう1つのチェックポイントは、結露の問題です。マンションは断熱性が高い分、結露が発生しやすくなります。
リフォームによって風の通りが悪くなってしまうと、発生した結露によりカビなどが増殖して家族の健康にも悪影響を及ぼしますので、留意する必要があります。
リフォームにおける家相や風水
かつては注文住宅を新築する場合、家相や風水にこだわるお客さまが多かったようです。例えば、玄関を北には造らない。
鬼門(北東)と裏鬼門(南西)の方角には、水回りを置かない。門は東南に造るなど。
今では、家相や風水に合わせたくても、敷地面積が狭くてその通りに建てられない場合も多くなり、だんだんと家相や風水にこだわる人が少なくなりました。
リフォームで家相や風水にこだわる人が少なくない
しかし少なくなったとはいえ、日本人は、家相や風水を信じる人が多いので、これらを無視するわけにはいきません。
それは、新築に限らずリフォームの場合も同じで、中には、全面リフォームをする際、家相や風水を良くしたいと考える人も少なからずいます。
新築以上にリフォームの営業マンは、家相や風水を勉強していないといけないのです。
しかし実際には、家相や風水に精通した営業マンはあまりいません。
本来ならば、リフォームを請け負う側から積極的に家相や風水のことをお客さまに伝えるべきなのですが、それができないので、敢えて尋ねられない限りあまり言わないのが実情のようです。
リフォームで風の通りを良くする
それでは、リフォームにおいて、家相や風水をどのように考えたら良いのでしょうか?
すでに完成した家をリフォームする場合、水回りや玄関の位置を変更するのは、とても難しくなりますので、厳格に家相や風水に合わせることがほぼ不可能になります。
そもそも家相や風水は、どのような家を建てれば、住む人に幸せをもたらすかを、間取り、出入口や窓の位置、水回りの場所などを統計的に整理した古人の知恵です。
このような場合はこうなりやすいという統計的なものですから、必ずそうなるわけではありません。
ですから、厳格に合わせられない場合は、最低限風の通り道を良くすることを考えてみてはいかがでしょう。
風の通りを良くすれば、換気がよくなり、住み心地が良くなります。
換気の悪い家に長く住んでいると、水回りに発生する結露によりカビが増殖し、家族の健康に悪影響を及ぼします。
季節によってはジメジメして、悪臭が発生することもあり、生活環境がさらに悪化します。
間取りや窓の位置を工夫して風の通りを良くできれば、家族の健康にも配慮したリフォームになります。