目次
修理や修繕を行う改築リフォーム
リフォームといえば一般的にどのようなイメージを持たれているか、調べてみました。
すると驚くことに、ほとんどの方は、リフォームを故障した部分の修理と考えています。
また、家の建て替えは予算オーバーで難しいけれど、リフォームなら手が届くと思われがちです。
リフォームは安いというイメージがあるようです。しかし実際には、坪単価で見ると新築よりもリフォームが高額になることを認識する必要があります。
ここで坪単価と表現したのは、リフォームは新築よりも工事をする範囲が小さくなる場合が多いことと、工事の内容が修理のみなど、単純な場合もあるためです。
建築費用の合計は、リフォームが新築より少なくなります。ただし、一坪あたりの工事費はリフォームの方が高いという意味です。
そのため、単純に、新築よりもリフォームがしやすいと割り切れないことが分かっていただけるでしょう。
リフォームという言葉の意味は、大きく二つに分けることができます。まずひとつは、皆さんが一般的にリフォームだと思っている営繕(修理・修繕)です。
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暮らしを今より快適に改造する住宅リフォーム
もうひとつは、暮らしをどのように快適にするかを考えるプランです。
間取りの変更をしたり、新しく機能的な設備を追加したり、音を静かにして断熱を追加したりするなど、暮らしを豊かにするために考えられることはたくさんあります。
つまり、修理や修繕以外に今の暮らしをもっとこうすれば便利になる、こうすればさらに快適になるという家の改造のあらゆるプランを考えてみることなのです。
リフォームは、水まわりなどの設備を取り替えたりするため、結果として従来から形の変化が求められますが、その形になるまでの過程で、暮らし方についてよく考えることが欠かせません。
リフォーム後にどのようにな暮らしを実現したいのか、改造プランを十分に理解した上で、工事をスタートしなければならないのです。
流行のスタイルを真似しても、必ずしも自分達のくらしとマッチするとは限りません。
実際にそのような例があります。
14〜15年前にさかのぼりますが、ストーブを置くスペースの壁に石を貼り、マントルピースのような空間を作りました。
しかし、ご家族がその家に入居した頃は、暖房器具はほとんどが温風ヒーターになっており、石の床や壁は必要ありませんでした。
結局、石の壁や床は取り外して収納スペースに変更するという、リフォームの依頼となりました。
不便なことに、それまでは温風ヒーターではなくガスの温風暖房を使い、入居後6〜7年も収納スペースが少ない状態で我慢をなさっていたのです。
暖房スペースを収納スペースに変更する場合でも、暖房機器は元の場所に置かなければなりません。
お客様もいらっしゃるリビングは、夏に暖房機器が見えない方がいいですよね。
しかし冷暖房兼用の器具ではないため、夏はさらに暖房器具を見せたくありません。とはいえ、夏だけ暖房器具を取り外し、物置に収納するわけにもいきません。
そこで暖房器具は収納家具の中にしまい、横方向のルーバーの扉をつけて、メタリックなヒーターをそこに隠しました。
ヒーターを中に置いてもルーバーの扉から温風が出てくるため、暖房はきちんと効果を発揮します。
なぜ温風暖房の時代に、マントルピースのイメージの家を建築したのでしょうか。
奥様のお話では、モデルハウスで見た、赤い炎がゆらゆらと燃える暖房が、とても暖かく魅力的に見えたからだといいます。
モデルハウスを見ている時は、自分の家の温風ヒーターのことをイメージすることがなかったのでしょう。
自宅リフォームをする前に現在の暮らしを再確認
つまり、暮らし方を把握するということは、現在どのような家電・設備をどのように使っているか、家をリフォームする前にしっかりと確認しておく必要があるのです。
新しい家に入居すると、定期的に住み手が住まいの点検をしなければなりません。
それにも関わらず、新居が完成して入居した時点で安心してしまい、建物のローンは払い続けていても、全てが完了したと思ってしまいがちです。
入居した時はゴールではなく、その住まいを維持するためにお手入れをしていくスタートなのです。
お手入れや修理は無料ではできません。建物のローンの支払いと同じく、メンテナンス費用を毎月積み立てていくような配慮も必要と言えます。
新築住宅は、いつまでも完成した時の新しい状態を保つものだと思われがちですが、そのようなことはありません。実際には、入居した時から次第に古くなっていくのです。
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定期的にフルリフォームの前の「家検」をしよう
新居への入居後、住まいを定期的に点検している方はどれ位いらっしゃるでしょうか。
車には定期的に「車検」があるのに、車よりはるかに高額な家には「家検」がないのは不思議なことです。
家検が制度にこそならなくても、住まいの定期点検を自主的に行う習慣はつけておきたいですね。
住まいの定期点検は、住まいを長く快適に維持するためにとても重要です。住まいの点検に適した時期をまとめてみました。
住宅の定期点検:5年目
内装仕上げを点検。床・壁・天井などに傷や汚れがついたり、はがれたりしていないか、住まいの隅々まで確認しましょう
住宅の定期点検:10年目
設備機器の取り替え時期の目安です。設備機器は一般的に10年が寿命と言われています。使い方や機器の当たりはずれなどで、多少の違いもあります。
最近では、設備機器業界のモデルチェンジのサイクルが早くなりました。
10年もすると、ほとんどの設備機器で、経済的にも機能的にも優れた、デザインも美しい設備機器が登場します。
設備機器が壊れていない場合でも、新しいものに取り替えたくなることもあるでしょう。
住宅の定期点検:15年目
新築から15年もの年数が経つと、廊下やドアなどで、みしみし、ギーッと、きしむ音がしたり、引き戸が重くなって開けにくくなることもしばしば起こります。
これは住宅の構造に原因があります。
点検とは、建物の健康診断
10年目の設備点検や、15年目の家の構造自体の点検は、素人である住み手だけではできない内容です。どこに不具合の原因があるのか判断ができないためです。
そこで、リフォームの専門会社や設計事務所、住宅を建築した会社などの専門家に費用を払い、点検を依頼します。
有料点検を依頼すると言うと、多くの方が点検ぐらいでお金を払うなんてと言います。実際にリフォームの専門会社では、無償点検をしている所も多いようです。
点検とは、建物の健康診断です。
電話で簡単に済ませるのではなく、人間の健康診断と同じく、実際に見に来てもらい、家の隅々まで抜け目なく調べてもらう必要があります。
そうすると、時間をかけて点検に来てもらっているのに無料では申し訳ないという気持ちが自然とわいてきます。
無料点検では悪いから、何かリフォームをお願いしようという流れになってしまうのです。
悪いからという気持ちだけで依頼したリフォームが、うまくいけばいいものの、実際にはそうではない場合も多いようです。
それは、無料で点検してもらったという感情に流されてしまい、実際にはどのようなリフォームが必要なのか、冷静に考えづらいからです。
有料点検なら、点検の報告書をもらってその場はいったん完了し、その後家族でじっくりと、リフォームが必要かどうか検討することができます。
このような手順を踏んでリフォームの必要性を検討していきましょう。
大規模リフォームは建て替えより安い?
リフォームならできそうだけれど、家をまるごと建て替えることはできないという声をよく聞きます。
建て替えは費用が高いため難しく、リフォームなら少しの修理費程度ですむ。だからリフォームにしようと考えるケースが大部分なのでしょう。
そこで、正確とまでは言えなくてとも、納得できるリフォームの目安のつけ方をご紹介します。
リフォーム計画は、リフォームのきっかけを3つに分けて家全体で考えます。建物の老朽化とライフスタイルの変化、現状への不満の3つです。
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まずは全面改装リフォームと建て替えの見積もりを取ろう
まずは家全体をリフォームする場合の費用として、見積りを取ります。
これは、各所のリフォームをやるやらないはまず考えず、家全体のリフォームを計画するためです。
あわせて、建て替えをした場合に、解体費用も含めていくらになるか見積もりを取ることをおすすめします。
リフォームと建て替えのふたつの見積もりを見比べましょう。
建て替えを100とした場合、家全体のリフォームの見積もりがその60%を超えた場合は、建て替えのほうが資産になります。
これは、建て替えができない理由がある場合を除きます。例えば、建物を解体できない理由があるとか、伝統的な文化遺産のためそのまま残しておきたいなどです。
建物や見積もり次第で思い通りにいかないことも…
リフォームは既存の建物をベースとして考えるため、計画通りに工事が実行できないこともあったり、工事自体はできても高額な費用がかかったりするケースがあります。
それに比べて建て替えは何もない状態から作るため、住み手の思い通りのプランを作ることができ、建物自体の寿命も長くなります。
工事にかかる資金面では少し苦心しても、長期的に見ると建て替えのほうが良い場合もあります。
あわてて衝動的な部分リフォームにとりかかる前に、じっくりと比較検討することが賢明と言えます。
家全体のリフォーム計画も金額費用や方法次第
リフォームと建て替えのどちらが適切か判断するためには、家全体のリフォーム計画の費用の見積もりが必要です。
全体リフォーム計画の費用は、かなり大きな金額となります。
一般的に、リフォームならこの程度と考えられる金額よりはるかに高いため、リフォーム自体を諦めることが多いかもしれません。
しかし、この高いと思う家全体のリフォーム計画も、方法次第では実現することが可能です。
では、実現可能な全体計画のふたつの方法を考えてみましょう。このふたつのどちらがふさわしいかは、それぞれのご家族の状況に合わせて決めることが必要です。
全面リフォームを実現する2つの方法
1.予算に合わせて段階的にリフォームする
新築でもリフォームでも、予算というのは必ずあります。
ただ、リフォームにかける金額としては、さほど大きな予算が組んであるわけではありません。
資金はそれほどないけれど、家全体のリフォーム計画を何とか実現したい時、どうすればいいのだろうかという悩みです。
そんな時に最も堅実な方法は、予算に合わせて、リフォームを急ぐ部分から少しずつ段階的に工事を積み重ねていくことです。
例えば、設備などの修理・修繕が必要な部分は、その修理が最優先です。
修理した周辺までをまずはリフォームして、他の部分は後日、改めて予算が取れるようになってからリフォームするという方法です。
周辺までというのは、具体的に言うと、キッチンの設備を新しいものに取替えるとしたら、設備だけでなく給湯システムや冷蔵庫、収納スペース、作業台やパントリーといったキッチンまわり全体で、リフォームの内容を検討したいということです。
このように、予算に合わせてリフォームを積み重ねる方法は、最初は手持ちの予算の範囲内でリフォームの程度を決めます。
そして、すでにいくつかの段階にリフォームの計画が分けてあるため、それに合わせて、順番にリフォーム資金を積み立てる計画を作っていきます。
将来的にも資金は必要になるため、住まいのメンテナンス用に資金の積み立てを計画することは、決してムダにはなりません。
2.ローンを利用して一度に全てリフォームする
リフォームを段階的に積み重ねる方法ではなく、ローンを利用することで、家全体のリフォームを全て一度に行うという方法もあります。
理想を言えば、リフォームは段階的にというより、一度に工事を完結してしまうほうが得策です。
ただし、ローンは借金。将来、何年先や何十年先まで返済をしていく必要があるため、その覚悟が必要です。
近年はリフォームの要望が増えています。それに伴って、リフォームのためのローンの種類も多くなりました。
住宅改良資金、クイックリフォームローン(住宅金融公庫)、財形持家転貸制度(雇用促進事業団)、年金住宅融資(年金福祉事業団)、地方自治体融資、各民間銀行などのように、リフォームローンの窓口はたくさんあります。
ちなみに、財団法人日本住宅リフォームセンターのコンクールへの応募作品総数の平均価格は、800万円を超えて1,000万円に到達する勢いです。
リフォームをするなら、ローンについて真剣に検討してみるのもひとつの方法と言えます。
借金をする場合、住宅金融公庫や年金などの公的資金は、利率は低いですが、借入額も少なくなる場合があります。
また、融資の条件もあるため、リフォームでローンを利用する際は、必ず窓口でしっかりと説明を聞いて計画を立てましょう。
リフォームでローンを組むならしっかりと見積もりや資金計画を立てる
ローンという借金をする場合、誰にも相談せず説明を受けないまま、自分でいくら借りられると勝手に思い込んでいるケースが意外と多いことに驚きます。
ローンはいくら借りられるのか、借りたいのか、はっきりと貸し手に相談をしましょう。そして、いくら貸してくれるという決定の返事をもらうまで、借りられる額としてリフォーム予算の中にローン金額を入れてはいけません。
さもないと、リフォーム工事はどんどん進むのに、資金の目処が立たないといった、困った事態になってしまいます。
リフォームがまだ計画段階なら、資金調達の結果、もしローンが借りられなくても対策ができます。
しばらく工事を我慢したり、最小限、急ぐ部分だけをリフォームしておいたりすることなどです。
しかし、リフォームのGOサインを出して工事が始まってしまうと、後戻りはできません。
そのため、まずは資金の調達計画を、リフォーム計画の一番最初のポイントにする必要があります。
以上のように、全体リフォームは方法次第で誰でも実現できる可能性を持っています。
本当は家全体をリフォームしたいけど予算的に無理と、現在の状態だけを見てあきらめる必要はありません。
家全体のリフォーム計画を視野に入れて、各部分を少しずつリフォームしていく。あるいは、ローンを活用する。
いずれにしても、事前にしっかりとリフォームの全体像と資金調達の計画を練っておくことが大切です。